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紋次郎登場!
11月5日、実にポカポカといい天気の昼下がり、公共事業チェック議員の会の一行が武庫川ダム建設予定地にやってきました。
「議員の会」の会長をしている中村敦夫氏はサングラスをかけ、颯爽と登場しました。そうすると、結集していた女性陣はたちまちミーハーおばさんに変身し、次々と武庫川を背景に中村氏と写真に納まったのでした。楽しくなければ市民運動じゃない、ということもあるから、武庫川の女性陣はそれを実践しているだけで、なんの問題もありません。
しかし、男性政治家もみんな同じ恰好というのはいただけません。国会から市町村議会議員まで、同じような背広にネクタイというのは情けない限りです。そんなところにジーパンやノーネクタイで登場したら、議会で制裁にかけられたりするのだから驚きです。日本の議会には自立した個人がいない、ということでしょうか。
さて、この日の「議員の会」の行動が、ダム建設に向けて突っ走っている県当局にブレーキをかけることが出来るのかはよく分かりません。しかし、「議員の会」は建設省に圧力をかけるということで、利害関係が相対的に薄い立場から止める方向に動きやすいかもしれません。
そもそも不必要な公共事業を止めるのに、総論的にはどの議員も反対しないと思いますが、自分の選挙区が絡んだら話は違ってきます。だから、亀井氏らを中心に行なわれている自民党の公共事業見直しは、羊頭狗肉を終わってしまうのです。
一方中村氏は、公共事業のムーディーズをつくり、数値でランク付けをすることによって不必要な事業を自動的に消していこうと言います。官僚や議員の利害の絡まない、より客観的な調査や数値付けが出来るなら、そういうことも可能かもしれません。しかし、官僚や議員のコントロールの下ではそれは不可能だし、外で行なわれた数値付けを彼らが受け入れることはないでしょう。
武庫川ダムについては、9月県議会において、貝原兵庫県知事が「新河川法に基づいて新たな基本方針を策定し、地元の合意形成の新たな取り組みを実施したい」と答弁しています。これは、学識経験者の意見を聞いたり、地域の住民団体と話し合いを行なうということです。しかしその中身は、御用学者を集め、反対運動をしている団体の分断と懐柔を行なうことでしかありません。
お役人による話し合い路線なんて、そんなものにしかなりようがないのです。言うまでもなく、話し合いの前提条件はダム建設計画の白紙撤回です。その後に始めて、ダムに寄らない流域全体の総合的な治水は可能なのか、ダムなしでは洪水を止めることが出来ないのか、まともな論争が成り立つのです。
一方で話し合い路線を示しつつ、他方ではダム建設計画はいつでも進められる状態にあり、インターネットではダムを造らないと阪神間が大洪水になるというイラストを流して市民の不安を掻き立てる。これほど見え透いた嘘はありません。
中村氏は日本のゆがみについて、「官僚独裁社会だということです。改革に踏み切る政策能力が政治の側にはない。でも官僚機構とは変化に弱い硬直した権力でしょ。官僚も時代に適応できない。それが今のこの国のかたち。異様ですよ。はやく官権から民権へ転換すべきだと思いますね」(9月10日付「東京新聞」)と述べています。500兆円を超える異常な財政赤字の亢進は、官僚だけが際立っているというより、彼らによる国家財政の垂れ流しが政治家や資本家を潤しているという共謀関係があってのことです。
公共事業チェック議員の会が全国を飛び回るの大いに歓迎しますが、本当にこの国の異常な政治を改めるためには、それぞれの地域の人々の力によって公共事業をチェックし、より多くの人々の意識を変えていくことが重要です。紋次郎の活躍に期待するだけでは、何も変わりはしないのです。
(晴)