主張論争連載読書室色鉛筆メールバックナンバー

子どもにぶつかる  ヨシ!

 前回に続き郵便局ネタで恐縮ですが、何しろ郵便局には7不思議を数えられるくらいの不可解な実態があります。それで、ネタに行き詰まったときは、これからも郵便局ネタが登場するものと思いますが、ご理解いただきたいと思います。
 ところで、私が勤めている局は近畿郵政局から「交通事故防止重点対策局」に指定され、何かとうるさくなっています。先日も7−8月期の交通安全の立ち上がり式を行なうとかで、忙しい時間に近郵と甲子園警察から担当者まできて、長々と式が行なわれました。こういうのがあると、その後みんな余裕がなくなって、よけいに事故の可能性が高まるように思います。何しろ郵便局は旧態然としたお役所だから、式をして訓示をたれたら事故はなくなると考えているのです。
 これは何も立ち上がり式に限らず、今日は何時から営業の会議だとか、3誤(誤配・誤還付・誤転送)防止の会議だとか、やたらと忙しい時間に会議を召集します。そうすると、残った人間が忙しくなり、3誤が増える要素になるのです。
 さらに、何か不祥事があると、その再発を防止するための点検表が生まれます。ところが不祥事は跡を絶たず、点検表はどんどん増えて、幾つも印鑑を押すことになるのです。この印鑑というのもお役所的ですが、印鑑なくしては、郵便局の仕事は1日も勤まらないのが実態です。最もこれはヒラの私などはさして問題はありませんが、役職者は大変のようです。印鑑を押してしまうと、あとで何かあったら責任を問われる仕組みになっており、まさに責任押し付けシステムといったところです。
 さて、交通事故防止ですが、毎朝事故防止マニュアルの唱和があります。内容はJAFの危険予知と同じで、例えば交差点にかかるところのイラストがあり、どんな危険性があるか予想させるのです。そして、その危険を回避するためにどうすべきかを確認するという具合です。こんなことは毎日やっても、交差点であれば一旦停止か徐行、雨の日であればスリップ注意、停車車両があれば前方注意、もうすぐマンネリです。
 マニュアルによると、その最初の段階で「右折車に気を取られていて、子どもにぶつかる ヨシ!」とか叫ぶのです。いかにマニュアルとはいえ、これはあまりに異様です。そういう異議はいくらも出ているのですが、当局はマニュアルがそうなっているからと取り合いません。私はそんな唱和には加わりませんが、私の職場では毎朝交通事故で何人もの子どもが死んでいるのです。
 ちなみに、「よし」というは感動詞で、「承認・決意を表わし、また相手の言葉に応じて、発する語」と辞書にあります。どういう解釈をしたら子どもにぶつかるのが「よし」となるのか、多分意味のない合いの手のつもりなんのでしょうが、まじめに取り組むにはあまりに日本語として座りの悪い言葉です。
 しかし、考えも見てください。毎朝、「前の車にぶつかる ヨシ!」「左折車と接触する ヨシ!」「歩行者をはねる ヨシ!」なんてやっていたら、まともじゃなくなっても不思議じゃないでしょう。そうでなくても、郵便配達中事故にあって現職死なんて周知が時々あって気が滅入るのに、わけのわからない事故防止マニュアルの押し付けで、本当に解決しなければならない問題をあいまいにするのはいいかげんにしてほしいものです。
     (晴)


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防衛庁からのお誘い

 先日、高校3年生の娘に、防衛庁からお誘いの手紙が来ました。中身は「自衛隊7つのコース」を紹介し、高卒(見込)であれば、誰でも無料で受験が出来ると、あります。女の子なのに、何のために送り付けてくるのか?
 よく見てみると、7つのコースのなかに看護学生がありました。
 自衛隊中央病院の高等看護学院で、3年間の専門教育を受け、看護婦国家試験取得後、2等陸曹として陸上自衛隊の病院等で勤務。就職難の折、安定した公務員という甘い誘いに、乗ってしまう若者がいるかもしれません。また、大学入試の模擬試験として気軽に受けてしまうという、そんな世間知らずの若者がいるかもしれません。
 自衛隊が災害復興で役だった、国連派遣で活躍したと宣伝しますが、本来の任務は軍隊であることを忘れてはいけません。震災の時、いち早く救助に駆けつけたのは、近所の人々や消防団員であったことは、記憶に新しいと思います。
 自国を守るためだけの自衛隊、だから存在を認めていいのでしょうか。今や、自国だけで解決出来ることは不可能と言ってもいいくらいです。核兵器での威嚇は、ますます軍備増強を激化させるでしょう。世界的な単位での軍備縮小こそが課題となっています。タイミング良く、私たちの学習会でも議論となった自衛隊の存在ですが、大いに議論されたことも付け加えておきます。
 ところで、娘の高校では文化祭が行なわれ、私もちょっと覗いてきました。模擬店、文化クラブの実践と賑やかな雰囲気でした。意外だったのは、3年生が行なったクラス劇です。白雪姫というオーソドックスな劇ですが、内容が自分たちで考えたオリジナル作品でした。なかでも、男子の踊り(テレビでよく見かけるラップ)は練習を何回もこなしているのか、そろっていて力強さを感じました。恥ずかしがらずに真面目に取り組む姿勢に、好感が持てました。
 若者たちが持っているこのエネルギーを、ぜひ未来の社会のために、まずは自分が選んだ進路を実現させるために、燃焼させてほしい。私たち大人は、若者が希望を持てるような社会に近づけるために、努力をしたいものです。  
         (恵)


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本工主義

 小泉政権が誕生して、郵政民営化が俄然現実味を帯びてきました。郵便局で働く私などは、まな板の上のコイ状態で、煮るなと焼くなと好きにしてくれという気分です。それにしても、小泉氏は民営化によって郵政の何を改革しようというのでしょう。私にはもうひとつ分からないというか、改革の象徴として、民営化そのものが目的になっているように見えます。
 しかし、新聞や雑誌で郵便局の話題が取り上げられ、多くの情報が提供されることはよいことです。そのなかには、現場で働いている私たちも知り得ない情報もあり、おおいに参考になります。ときあたかも、情報公開法も動き出し、あらゆる情報を把握した上で、郵政事業かくあるべきという議論を、あらゆる立場から展開したいものです。
 とわいえ、現場の労働者にとっては、どっちに転んでもリストラと労働強化が待っていること間違いなしだから、既得権益の擁護に傾くのは避けられないようです。ここに、小泉氏らの民営化の自己目的化に対して、郵政一家の既得権擁護という俗悪な主張がまかり通る素地があります。それはまた、権益さえ守られるなら民営化もかまわないという立場に、容易に移行するでしょう。小泉改革がそうしたところに落ちつくなら、国民にとっても何の利益もありません。
 さてそれでは、郵政内の最大労組・全逓はどう考えているのでしょうか。先ごろ開かれた全国大会の議案では、「郵便事業の構造的赤字体質の改善」が急務だとしています。これは、赤字だから民営化して・・・、という攻撃に勝つために必要なことで、「全てのタブーを廃して全体が痛みを分かち」合うことだそうです。そこから考え出されたのが、『柔軟な労働力構成の検討』です。
 その中身は、「高齢者再任用制度導入や事業環境のさらなる変化を想定するとき、労働力構成上、本務者と高齢者再任用職員・短時間職員・非常勤職員を含めた複合型労働力構成による、より柔軟な内容に変える必要があります」というものです。これはまさにマクドナルドなどに見られる雇用形態であり、全逓が何を犠牲にしようとしているかは明らかです。これを評するなら、親方日の丸、本工主義とでも言うべきか、実に卑しむべき姿です。
 痛みを分かち合うのではなく、痛みを誰かに押し付け、自分は甘い汁を吸いつづける、そのためには同じ職場に雇用形態も賃金も違う、安上がり労働力をもっと導入しようというのです。もちろんそれは、本工のなかにも差別待遇を持ち込まないでは済まされません。例えばそれは、全逓本部の役員は約1178万円もの年収があるのに、そこで働く書記は約617万円しかない。実際の役員報酬はもっと多いと思いましが、現場で働く組合員で年収が1000万を超える人が何人いるでしょうか。
 彼らの報酬は、本省と同レベルらしいのですが、書記の倍あって当然というのが彼らの感覚なのでしょう。これが職場レベルになると、非常勤は時間給で当然、週休や非番はあっても賃金の対象にならなくて当然、ということになるのです。悲しい連鎖というか、何というべきか。しかしその本工も、自らの存在を揺るがす嵐にみまわれる日も近いようです。その時どう対処するのか、ひとりひとりが問われることになるでしょう。
       (晴) 

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施設で「トライやる」

 兵庫県が、県下の中学2年生を対象に試みた「トライやる・ウィーク」も、定着してきたようです。我が家の娘も今年、トライして来ました。行き先は、就学前の身体障害児が通う施設でした。事前にアンケートで希望を取りますが、「老人と子どもとどちらがいい?」と教師に聞かれ、決まったようです。
 路線バスで通い、自分で時間配分をして目的地までたどり着く、初めての経験です。親としては乗り遅れないか、乗り間違えないかと心配していましたが、取り越し苦労になったようです。そして、施設の子どもたちとの出会いは、戸惑いながらも新鮮で、何か大切なものを学んだはずです。
 この「トライやる・ウィーク」の体験談を発表し、現在の1年生に引き継いでいく作業が設けられています。地域の人たちに支えられ、成り立っていく学習だからこそ、人間関係を大切にしていってほしいと思います。授業からもクラブからも解放された1週間、いい意味で一休みになったのではないでしょうか。
 ところで、大阪教育大付属池田小学校での事件から、各地の小学校では警備を強化するなど、不審者への対応にピリピリしています。末娘の通う小学校では、事件の直後には校門を閉めるなど、閉鎖的になっています。現在は、休み時間にPTAの役員が交代で見回りを続けています。
 「開かれた学校」を年度初めに掲げた校長の意志表明は、早くも崩れつつあるのでしょうか。地域の方々を招き学校の行事に参加してもらい、学校運営についても声を聞かせてもらう、という姿勢だったと思います。たぶん、無難な声を聞くということになるのでしょうが…。
 今後、総合学習が本格的に取り入れられ、体験、実験、観察など実際に校外に出ていく機会が増えてくると思います。子どもたちの安全をまず第一に考えますが、それを強調するあまり、不審者捜しのような泥沼に入らぬよう気をつけたいものです。
         (恵)

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連帯責任

 郵便局の現場では、公社化への移行に向けて変わりつつあります。「第一集配課」から「第一集配営業課」に名称を変え、文字通り営業を押しつけられているのが現状です。先日も、暑中見舞い用の「かもめーる」を割り当てられました。
 正規の職員でさえも手隙の時間が無く、困惑しているのに、私たちのような4時間実働では、営業なんて無理な話です。結局は、必要もないのに、自分で買い取るという結果になってしまいます。なぜ、自己負担なのか!腹立たしい思いです。
 本局では班単位で売り上げ目標が設定され、一定期間毎に、現在何%達成とハッパをかけられています。私の働く作業所は場所的にも本局から離れ、単独の勤務時間の配分などで、言わば「自主運営」的な所でした。管理者からはいい意味でも悪い意味でも、管理を逃れられてきた、という経過があります。
 しかし、最近は管理者が頻繁に顔を見せに来ると思えば、営業の話なのです。書留を配達する際についでに営業も、ということらしいですが、現状は留守がほとんどです。職場の改善には全然耳も傾けない局の姿勢に、都合のいいときだけに利用している、と同僚たちからも不満が出て当然だと思います。
 さらに、「営業の成績が悪い人は、仕事を辞めてもらうこともある」という脅しとしか言えない管理者の態度には、唖然としてしまいます。真面目に働いてきた日々は何だったのか? 非常勤でしかも女性ばかりの職場と、バカにしている。こんなことまでされて、営業なんて出来るはずがありません。
 ところが先日、出勤すると同僚から例の 「かもめーる」の分担枚数を言われました。私が断ると「平等に枚数を分けたから一人でも欠けると目標が達成出来ない」と信じられない言葉が返ってきました。ああ、これは連帯責任ということかと、局の汚いやり方を再認識しました。私は、連帯責任という言葉に惑わされることなく、断ったのは言うまでもありませんが…。
 働く者同士が互いに監視しあう、なんて不幸なことか。辞めさせるという局の脅しは、不安定な非常勤の同僚たちには、殺し文句なのです。非常勤でありながら、国家公務員としての資質を要求され、権利はないのに義務は要求される、局からすればなんと使い勝手のいい労働力なのでしょう。しかし、職場の不満は積み重なるうちに、やがて何らかの抵抗として現れるに違いない、そんなことに期待しながら職場に通う日々です。
       (恵)

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永年勤続表彰

 4月20日の逓信記念日に、勤続30年の永年勤続表彰を受けました。逓信記念日は今年から郵政記念日に名称変更され、昔の逓信省の逓の字が残っているのは全逓の逓くらいになりました。何かふるき良き時代の郵便屋かたぎが消え去るように、いずれ訪れるであろう全逓の解体とともに、逓の字も完全に消え去る運命にあるようです。
 近畿郵政局の今年の30年表彰対象者は1605人、会場は大阪ドームでした。式典に出席しなかった労働者が何人いるのかわかりませんが、とりあえず出張扱いになって仕事をしなくて済むので、私はかみさんと一緒に出席しました。かみさんはバイキング形式の食事が出るというのにつられて出席したのですが、幾分期待外れのようでした。
 大阪ドームに行くのは始めてで、中に入って驚いたのはずいぶん狭いうえに、床がコンクリートだったことです。どうせ人工芝なんだから、コンクリートのほうが管理が楽なのでしょうか。甲子園球場の芝生の上に降りたことがありますが、全くくらべものになりません。ちなみにこの大阪ドームは大阪市の第三セクターが管理していますが、債務超過に苦しんでいます。
 当日、私はいつも通りの服装で出かけたのですが、予想に反して私以外の全ての男性は背広でした。考えてみれば、普段着で出ようというような労働者は表彰なんか拒否して、今ごろ仕事をしているのでしょう。私も出席したことを幾分後悔しながら、それでもこの陳腐な式典も経験しておいても悪くはないだろうと、思いなおして自らを慰めたのでした。
 また、式典には私たちだけではなく、郵便切手類販売者や簡易郵便局受託者も来ていました。見ていて感じることは、こうしてここに呼びつけて、表彰してやるというような印象です。いまどき平日の昼間に呼びつけられて、表彰状をもらって喜ぶだろうか。要するに、やることがいかにもお役所的なのです。途中で何度か立つところや礼をするところがあったけど、立つのが面倒だったのと、舞台正面の日の丸が気に入らなかったので、ずっとかみさんとふたりで座ったままでいました。
 この表彰の前に、4月1日の定期昇給が保留となりました。アメやらムチやら忙しいことですが、5月になって3号俸だけアップしました。1号俸カットされたのは、例によって名札をつけていないからです。また、この表彰には記念品と旅行券がついていて、私もこれは文句なしにいただいておこうと思っていました。手もとのあるのは、日記を書くための万年筆と10万円分の旅行券です。旅行券には1年という期限があるので、いつどこへ行こうか迷っています。
 というようなしだいで、貴重ではあるが、くだらない経験をしました。これを総括すれば、式典にムダ金を使うのはやめて、せめて1週間でもいいからリフレッシュ休暇をくれ、という結論に達します。30年という長きにわたって郵便を配達し続けてきて、色んな経験もしてきました。いずれあらためてそうした日々についても、書き残してみたいと思っています。
(晴)

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エンパワメント

 二女の通う高校は、自宅から歩いて5分くらいで恵まれた条件にあります。だから,私は高校の主催する講演会には、時々、顔を出すことにしています。今回、午前中は小学校の参観で、午後は高校の講演会と忙しい一日でした。
 事前に配布された案内によると、海外に長く在住し精力的に活動を続けている女性,という魅力的なプロフィールでした。予想通り、真っ赤な上着に真っ黒のズボンで現れた森田ゆりさんに、私は自分にない個性豊かなものを感じていました。
大学を卒業し1976年に、単独でメキシコに渡ったという大胆な行動を決断した理由が、ちょっと意外なものでした。自分が言葉を話せない国を敢えて選択、そして自分の太陽を見つけるために。当時、日本では学生の間で「自己否定」がブームになっていて、今の自分からさらに向上した自分を目指したものでした。日本の価値観を否定するかのように、メキシコで彼女は、内なる力=エンパワメントに出会うことになります。
 グァテマラでバスに乗って移動中、政府軍の兵士に捕まる寸前に、命拾いしたエピソードにはハラハラドキドキでした。彼女を救ってくれたのは現地の少年でした。彼は、兵士が彼女に詰め寄ったその時、自分が連れていた豚と鶏を手から離したのでした。その時の少年の笑顔は、まるできらきら輝く太陽だったというわけです。
メキシコとアメリカに21年間在住し、平和運動,先住民族の運動に関わりながら,子どもの虐待、性暴力防止などに関わる専門職養成に携わる等、幅広い活躍に頭が下がります。日本に在住している現在,エンパワメント・センターを主宰、個人の潜在能力を引き出す作業と共に、社会のあり方にも当然批判が向けられます。
 学歴、経済力で人の価値をランク付けする現代社会、そのことを覆す「存在だけで素晴らしい」という評価は、とても新鮮な響きでした。勉強、勉強と追い立たされている子どもたちに、本当に大切なのは自分が何をしたいのかを見つけることにあるのではないでしょうか。そして、これからの私自身への課題でもあります。
(恵)

大阪市の誤算

 5月15日、2008年の夏季五輪候補地に立候補している大阪市に対して、国際オリンピック委員会(IOC)が辞退勧告を検討しているという、うれしいニュースが飛び込んできました。この辞退勧告は最終的には見送られましたが、実際上、大阪でのオリンピック開催はなくなったわけで、実に喜ばしいことです。
 この事態におおいに慌てたのは、大阪市と日本オリンピック委員会(JOC)です。辞退勧告検討という知らせに、磯村隆文市長は「しっぽを巻くわけにはいかない。辞めたら物笑いになる」と、ほとんどまじ切れ状態です。辞退なんていうことになれば、それは直ちに責任を取って辞任ということになるでしょう。だから、彼にとって辞退勧告は死刑宣告に等しいものでした。
 2006年夏季大会に立候補しているのは、北京、パリ、トロント、イスタンブール、大阪の5都市です。今回、IOC理事会がイスタンブールと大阪への辞退勧告を検討したのは、招致活動での浪費を食い止めるのがねらいだということです。それは御親切にと言いたいところでしが、招致活動に多額の費用が必要になったのは、五輪開催がお金で買えるようになったからです。そして、そんな状態にしたのはIOCの理事達です。
 JOC会長の八木祐四郎氏は、辞退勧告なしの報に、「最大限の努力をして最後まで戦い切る」と頑張っていますが、いったい何を努力し、誰と戦うのでしょうか。大阪市のオリンピック招致局の職員も、「ほっとした。これであと二カ月頑張れる」と言ったそうですが、無駄な仕事というものは空しいものです。ポストがあって予算がつけばそれで良い、なんてお役人仕事ははやく無くすべきです。
 大阪市が五輪招致活動を始めたのは1992年、横浜市を破って国内候補地となったのは、長野冬季五輪前年の97年の夏でした。すでにその年の大阪市の招致関連予算は約10億円に達し、横浜市企画局のオリンピック担当課長をして「九七年度のウチの予算は五〇〇〇万円で、相手の二〇分の一。国内選で大阪みたいに派手にカネを使うことは、市民の理解が得られませんから・・・・・・。自動小銃と竹槍の戦いと言われている。それにしても大阪はどうなっているのか・・・・・・」(相川俊英「長野オリンピック騒動記」)と言わしめています。
 相川氏は、五輪招致に突っ走る大阪市に「国際イベントを公共事業の呼び水に利用する姑息な考えも、そろそろ改めるべきだ」と忠告し、次のように述べています。「五輪はもはや、IOCという業者が主催する巨大なスポーツ興行でしかない。長野で演じられたドタバタ劇は、大義名分の裏に隠されていた五輪の実像のほんの一部が露呈したものにすぎない。いつまでも五輪幻想に凝り固まり、厳然たる事実から目をそらしつづけることは許されない」「五輪興行に加わって、その利益にあずかろうというさもしい行為も、長野で終止符を打つべきであろう。ここまで見てきたように、『五輪開催都市は儲かる』というのは幻想でしかないし、そもそも自治体の役割はスポーツ興行を行なうことではない」
 大阪市の五輪招致が破綻したというニュースのすぐ後に、今度はサッカー2002年ワールドカップの会場問題が報じられました。ワールドカップの開催に浮かれて多くの都市が大きなスタジアムを建設しています。しかしそのスタジアムは大きすぎるために、ワールドカップが終わってしまったら、十分に利用できないだろうということです。その結果、維持管理費の支出が宴の後のたちの悪い二日酔いとなって、自治体財政を苦しめ続けることになるようです。
 スポーツイベントは、自治体首長にとっては名を挙げるための手段となり、ゼネコンにとってはおいしい儲け口であり、そして市民にとっては災厄以外ではありません。磯村市政は、さしあたって2ヵ月の猶予を与えらましたが、どちらにしても巨額の浪費の責任を取らずに済ませることはでこないでしょう。
  (晴) 

ミュージック・オブ・ハート

 メーデーがお祭り騒ぎになってしまったこの頃ですが、西宮地労協では健全にも、労働者への意識高揚のための映画会が催されました。前夜祭という位置付けで、雨降りにも関わらず勤め帰りの労働者が、多数会場に足を運んでいました。
ところで、バイオリンに対するイメージと言えば、裕福な家庭の子息・令嬢が演奏するものと高級な感じを持ってしまいがちです。しかし、このミュージック・オブ・ハートを見ると、そんな偏見も吹っ飛んでしまいます。主人公のロベルタ先生は夫と別れ、実家に家具と共に50挺ものバイオリンを運んで来る、そんなシーンから話しがはじまります。
生活費を稼ぐためには、彼女にとってはバイオリンの教師になるのが、一番手っ取り早い方法です。幼なじみの男性に紹介されたニョーヨークの小学校に、採用が決まるまで何度も押しかけます。そして、スラム街に住居を見つけ、悪戦苦闘の教師生活が始まるのです。
社会の下層で必死に生きている親を持つ子どもたち。ギャングの抗争に巻き込まれ命を落とす子ども、夫の暴力で家出を決意する母子、そんな不安定な生活を送りながら、バイオリンは子どもたちの心の支えになって来ます。自分の力に自信が持てる、このことでバイオリンが楽しくなり、しかも自分の生き方を切り開いていける力が身に付いたはずです。
話しが急展開するのは突然、ニューヨーク市の教育委員会が、音楽科目への資金打ちきりを決定したことに始まります。当然、バイオリン教室は閉鎖という厳しい状況に追いやられます。13年間の彼女の苦労はどうなってしまうのでしょうか。
 親と支援者が駆けつけた対策会議では、チャリティコンサートで資金集めをし、その資金でバイオリン教室を続けるということになりました。マスコミ関係の友人の夫が音楽家、というでき上がった設定には少し戸惑いましたが。結果は、カーネギーホールで初演奏というチャンスを手に入れるのです。
 実話だからこそ感動も大きい。その後、彼女に共感した人々で非営利財団「オーパス118音楽センター」が結成される。8年間の教室への支援を行なっています。そして、彼女は今も同じ小学校で、バイオリンを教え続けているということです。
 ところで、西宮のメーデ―は例年通り5月1日に開催、デモ行進も行なわれました。連休中という理由で日程を変更する連合よりも、前向きな姿勢に共感が持てました。(恵)

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変貌する駅の顔

 数年振りに降りた駅で、その変貌振りに戸惑うような経験は、誰にもあるのではないでしょうか。私が住んでいる西宮市では、震災以降の町並みの変化が著しく、あちこちに20階を超えるような高層住宅が目立つようになってきました。しかしこの変化は、あまり歓迎すべきものではありません。
 つい最近も、阪急西宮北口」駅の北西に「アクタ西宮」というツインビルが完成しましたが、そのあおりを食って近辺のいくつかの店舗が閉鎖に追い込まれました。この地域は、震災前は商店街でしたが、いったん完全な更地になり、そしてそびえたつツインビルへと変貌を遂げたのです。この地域では昨年、南西部に「プレラにしのみや」がオープンしています。それと同時に駅の南西にも改札口ができ、南東部にあったバスターミナルが移転しました。
 商業施設や公共施設、住宅もある複合ビルのオープンが地域に与える影響は、劇的なものがあります。とりわけ、かつては阪急ブレーブス(現在のオリックス・ブルーウエーブ)の本拠地、西宮球場のあった南東部の地盤沈下が激しく、食べ物屋さんが並んでいた駅前は完全な更地になってしまいました。
 今やこの方向に人並みが見られるのは、競輪のあるときくらいではないでしょうか。その人並みも以前ほどではなく、ギャンブルも多様化したからか、市財政に貢献してきたこの競輪も今では赤字となり、いずれ廃止となる予定です。もとより、自治体が寺銭かせぎをすること自体が間違っていたのだから、そこで働いていた人たちへの再就職斡旋等は当然として、1日も早く廃止すべきです。
 ついでに北西部についても少し紹介すると、こちらは金融機関や商店、それに予備校がたくさんあります。ここの改札は夕方や、夜遅くに小学生の集団が通ります。たまにその集団とかちあうことがありますが、この子達はどんな大人になるのだろうと、暗澹たる気分になります。
 さて、くだんの「アクタ西宮」の開業と同時に、この方向への人の流れはすさまじいものがあります。この施設は震災復興の再開発事業によるものですが、以前商店街で出店していた人たちが店を出すのは困難が予想されます。事実、仮設店舗で営業を続けていた店でも、入居をあきらめたところもあったようです。最もこの地域だけではなく、震災によってつぶれ、再建されない商店街や、虫食いのようになった商店街が幾つもあります。
 私はこの駅の変貌振りを、「プレラにしのみや」6階の中央公民館のフロアから眺めつつ、この街はどうなっていくのだろうと思ってしまいいます。アクタ西館には大阪や神戸にも負けない大きな本屋さん、淳久堂書店がオープンし、東館にはまもなく市立の図書館が開館します。一方でこうした歓迎すべきこともありますが、その一方で何かが失われていくような思いを禁じえないのです。(晴)
写真の絵解き―阪急「西宮北口」駅を中心に、右手前が更地となった以前の南口。左手前が「プレラにしのみや」オープンと同時に、新しくできた南西口とバスターミナル。右上に見えるのが、「アクタ西宮」のツインビル。手前に見える電車は、神戸線と交差して南北に走り、西宮と宝塚を結んでいます。

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手作り映画に素顔の子ども

 子どもは元気に遊んで、けんかをしながら社会のルールを学ぶ…。1960年代に小学生だった私の子どもの頃は、そうだったかもしれません。しかし、今の子ども達は忙しくて遊ぶ時間も無い、けんかのやり方も解らない。世界を見れば、生活が貧しく学校にも行けずに、児童労働に携わる子ども達がいる。この格差は何を意味するか、あまりにも重たい問題です。
 チリ・サンディアゴ郊外、ロ・エルミーダーに暮らす子ども達は、貧しさゆえに1日1食しか食事が出来ない。もちろん、映画なんて見たこともない子ども達ばかり。そんな子ども達が映画作りを始めた…。画面に写し出された生き生きとした顔に、教育の本当の意味を教えられた気がしました。
 教会で行なわれる映画教室で女性教師は、映像が写し出されるメカニズムを子ども達に教えます。何枚もの絵が連続に写し出されることによって、画面が動いていくことを。それは、具体的には動物の連続した絵を回転させることで、動いている実感を味わうおもちゃ作りで経験させるのです。
 子どもが自分で作ったおもちゃを家に持って帰り、親子で話が弾み親子の信頼関係が出来上がっていきます。映画のシーンは、子ども達の賛成多数で「デモ」に決定。警官とぶつかり合う生々しい絵を描く子どもの心には、「デモ」の過激な場面が鮮明な記憶として残っているのでしょう。
 1988年に製作されたこの映画は、完成後、「21歳以下の者は観てはならない」と事政権は弾圧を加えてきました。10年以上年月を経て、私は女性センター(男女平等参画センター)でビデオ化されたものを借りることが出来ました。「100人の子どもたちが列車を待っている」をタイトルに、気軽に借りたものの、その内容の深さにしばらく考えざるを得ませんでした。
 映画作りによって、ストーリーの組み立て方、画像の遠近法による手法など、科学の基礎にも触れるという、これこそ体験学習ではないかと思いました。興味のあることを通じて、学習を楽しむ、まだまだ先のことでしょうか。
       (恵)


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見果てぬ夢


 ピラミッドに代表される巨大建築物は、古代王朝の栄華の跡です。これがさしづめ現代なら、巨大ダムや国際空港とかでしょうか。いささか強引ですが、これが我が兵庫県では「兵庫5空港」ということになります。もめにもめた神戸空港も、2001年度には本体工事に初の19億円の国費が投入されようとしています。運輸省(現国土交通省)航空局は「全国15の地方空港で着工される新設滑走路の延長事業を優先してもらえた。2005年度の神戸空港新設に向けて工事は滞りなく進むだろう」としています。
 兵庫県土木部空港整備課は「兵庫5空港ホームページ」で、関西空港・大阪空港・神戸空港・但馬空港・播磨空港を兵庫5空港と称し、これが「21世紀の新しい兵庫の新時代を開く」と述べています。1994年に開港した但馬空港は赤字たれ流し空港だし、播磨空港計画は県の需要予測が大幅下方修正され、「計画休止」がささやかれるようになっています。だから、「兵庫5空港」なんていうのは21世紀の夢のまた夢です。
 ちなみに、貝原兵庫県知事はこんなことを言っています。「阪神地域と但馬地域を35分、さらに乗り継ぎ便の利用により、但馬−東京間約2時間半で結んでいます。コミューター空港として利用者も年々着実に増加する中、今年度も11月から但馬空港を利用した『日帰りカニパック』旅行を開始。昨年の4月には、韓国・釜山に開港後初の国際チャーター便を運行したほか、羽田直行便など新しい路線も検討されています」
 知事さんのこの涙ぐましい努力にもかかわらず、但馬空港浮上の兆しはありません。例えば神戸と但馬を結ぶコミューター・ヘリコプター(8人乗り)は、1往復にかかる県の持ち出し費用は最高28万円にのぼります。というのは、まず搭乗料金が片道11000−12000円で、過疎地への助成などの名目で運行経費の半額助成などを行っているのです。昨年、播但自動車道が和田山まで延伸されて、県内の南北交通アクセスは向上し、ヘリの利用者は増えていません。この実態に、さすがに県会でも「搭乗料金を上回る県費がかかっている」「ゴルフ目的も目立つ。地域活性化となるか」等の批判が出たということです。
 実はこの春休み、家族で豊岡まで出かけたついでに、但馬空港を見学してきました。そこには「但馬−大阪路線2便」という大きな文字がありましたが、ロビーは閑散としていて、土産物屋さんも手持ち無沙汰にしていました。とても商売が成り立つ状態には見えませんでしたが、いったいどうなっているのでしょうか、他人事ながら心配になるくらいでした。 次に播磨空港ですが、姫路市庁舎の最上階に「播磨180万人の願い・播磨空港を早期に実現しよう」という特大横断幕が掲出されています。根強い建設反対運動があるのに、180万人の願いというあつかましさと、早期実現を叫ぶ非現実性。それらは、為政者たちの見果てぬ夢であり、同時に実利でもあります。彼らの宴の後には、乗り物酔いに苦しむ乗客(市民)の姿ばかり、というところでしょうか。
 (晴) 

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うわべだけの「共同原理」


 少し肌寒さが残る3月末、春休みを利用して1泊旅行に出かけてきました。蟹料理が目的で実家の母親も誘い、家族で久しぶりにゆっくりしてきました。宿泊は簡易保険の保養所で、宿泊代金も手頃で施設も不自由無く、過ごせました。
 夜の食事は蟹のフルコースで、お腹一杯でしばらく蟹は見たくないという、贅沢な気分を味わいました。朝は和・洋食のどちらでも選べるバイキング形式で、何かしら満足した気分になりました。一般の旅館と比べると、色んな面で割安で、人気の秘密を改めて実感した思いです。
 以前真夏に、夫のマラソンにつき合い、宿泊した施設は、神戸生協の運営するもので、組合員の資格があれば宿泊出来ました。ここも比較的割安で、施設内の設備も良かったと思います。ところで、神戸生協は今年80周年記念ということで、今、新商品のアピールに力を入れています。
 80周年記年特別号の機関紙「きょうどう」には、理事長の競争原理ではなく「協同の原理」の精神という美辞麗句が目につきます。その横面には、神戸空港推進派の貝原県知事が「愛と協同」の精神を説いています。どちらも、本心ではなくポーズでしかないことは、説明するまでもないでしょう。
 食品の安全・環境とうたいながら、開発された商品は限られ、特売の商品は大手の企業の製品で、安全とは無縁のものであること。生協に勤める労働者は、残業手当ても正当に支払われず、無理をして腰痛を患うような労働条件であること。こんな実情を改善せずに、生協の名前を使うなんて恥ずかしいことです。
 理想を信じ協力した組合員の出資金が428億円、供給高3371億円、組合数140万人と、大きく伸び増加を続けています。組合員にもっと還元するべきではないですか。競争原理を否定したもののやはり、利益優先の生協の姿勢が現実の社会の中で、浮かび上がってこざるをえません。
 価格破壊が進み、品質よりも価格の安さで選択する消費者が目だってきたように思えます。中途半端ではなく、安全・環境を貫き、利益を二の次にした明確な姿勢を示さないと、良心的な考えの組合員は脱退するでしょう。小規模な共同購入に比べ、大量に低価格で供給出来る地磐が生協にはあるはずです。そのための努力に時間と資金を費やしてほしいものです。 
     (恵)

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変わる雇用保険制度


 私の職場では、3月いっぱいで退職する同僚が2人います。非常勤職員という不安定な立場で、15年以上も勤め続けても退職金は全くありません。雪の日も風雨の強い日も、郵便配達に費やした実労働時間だけの報酬、というわけです。ただ幸いなことに唯一、雇用保険だけは掛金があり、支給されるようです。
 しかし、4月から労基法が変わり、雇用保険制度も大きく変わります。退職する同僚も制度が変わる前の方が、給付日数が多く有利だということで退職時期を早めました。これまでは、退職の理由は関係なく、保険加入期間と年齢で給付日数が異なりました。4月からは、倒産や解雇を理由に離職した者には、配慮した給付日数になります。
 具体的には同僚の場合、退職理由が自己都合というわけで、3OO日から150日と半減することになります。では、倒産・解雇を理由にした場合ならどうでしょうか。年齢が45歳以上60歳未満で20年以上の保険加入期間では、30日間の給付日数のみ増えるということです。
 何か倒産・解雇に配慮する方向性をうたいながら、実際はほんの形だけのものという気がしてなりません。むしろ、この「改正」は自己都合や定年退職者の攻撃が目的だと言わざるを得ません。失業者がますます増える中、保険財政の逼迫は、労働者が犠牲になることで解消に向かうのでしょうか。
 不況を背景に、「サービス残業」が増えているのも事実です。労基署への申告や相談が年々増え続け、違反申告が2000年は1339件にも達しました。兵庫労働局による抜打ちの夜間立ち入り検査(夜間臨検)によると、最大1ヶ月で49・5時間のサービス残業が確認されています。
 退職者がでても、その人数分の補充がないため仕事の密度は濃くなり、疲労が溜まってくる、そんな状態で私の職場はなんとか回っている状態です。体調が悪くなっても、無理をして出勤するということになります。管理者は自分たちの都合で、求職者があっても採用の時期を先に伸ばしたりと、呑気なものです。それでも現場では、不満をつのっていながら、管理者の悪口を言い合うぐらいです。非常勤で2ヶ月雇用という立場では、面と向かっての要求は困難なのです。しかし、お客様第一のサービス精神をモットーとする管理者の対応(ご無理ごもっともで、現場に処理をさせる)には、時々プッツン切れてしまうことがあります。冗談ですが、「みんなで仕事放棄しようか」と声かけあう日々です。
        (恵)

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震災復興予算の行方 (2)


 震災復興のための予算(義援金もだ)が、被災者のためではなく、お役所の都合や関係者の利害から浪費されていたことは、多くの人が語っています。この欄でも取り上げましたが、尼崎でも西宮でも、芦屋でも復興予算がムダに支出されてきました。
 それらは、何れもその真相が解明されたわけでもないし、真相が解明されると困る人も多くいるようです。芦屋の助役汚職では、富田元助役と行動を共にしていた市会議員が追及を受けることもなく、その氏名すら今だ公表されていません。市議会は類が及ぶのを恐れ、全くの及び腰です。警察発表を鵜呑みにして、裁判が始まる前から犯人視報道を繰り返して恥じないマスコミまでが、限りなく犯罪に近い市会議員のプライバシーは尊重するようです。
 そして、西宮市の復興事業の国庫補助金の不正流用はというと、3月市議会でも取り上げられています。まず右派議員が、(この事件を神戸地検に告発した)告発状は事実に反するところがあるから、被告発人は告発人を名誉毀損で訴えろ、なんて勇ましいことを言ったようです。この人物はもっとひどいことも言ったようですが、名誉毀損で訴えられるのも難儀なので、詳細については議事録が公開される3ケ月後(このスピード時代に何で3ケ月もかかるのかと思いますが)を待つことにします。
 3月6日には森池豊武議員が質問に立ち、「国庫補助金の不正流用に関する新たな問題について」市当局を追及しました。この日は私も傍聴し、答弁の余りのひどさに、まともに答えるように要求しました。そうするとくだんの右派議員がこちらをにらみつけ、野次はやめろと言っているようでした。
 さて、その日の質疑の模様は、翌日の地元紙で「コピー紙『損害900万』、住民監査請求へ」という見出しで報道されました。そういえば、記者席に2人座っていましたが、そこにいなかった市役所詰めの記者は余程いそがいかったのでしょう。
 疑惑の内容についてはすでに書いたので繰り返しませんが、都市復興局長の答弁が原稿を読むだけなのには、本当に頭にきました。市当局は、森池議員の質問時間を我慢すれば何とかなる、と思っているようです。割高な紙を買わされて(わかっていてそうした確信犯かもしれません)市財政に損害を与えたという反省も全くなく、「単価の値下がりについても認識していない」とふざけた答弁をしています。
 これは一箱4500円だったものが2800円に値下がりしたこと、市が不当に高い値段の紙を何年分も買っていたことを指摘したものです。しかしこの2800円という値段も、問題なしとは言えません。というのは、これはA4・2500枚の値段ですが、私は最近B4・2500枚の箱入りを買いましたが、消費税込みで1858円でした。いまどき値段を気にしないで買い物が出来るのは、どんなに割高なものを買っても自分の懐が痛まないお役人くらいでしょう。
 もうひとつ問題なのは、この事件に対する市議会全体の反応です。共産党は関連質問をして、市当局を批判しましたが、大方の議員は告発そのものを快く思っていないようです。告発後に引き続き市議会で取り上げることも、神戸地検に任せたのに何でまた蒸し返すのかという雰囲気もあります。
 しかし、何より問題なのは市当局の態度であり、真相解明のためにあらゆる手段をつくそうとしている森池氏への悪意は、全くお門違いです。というより、大方の議員は(与党の席にあって)市当局と共犯関係にあり、こんなことをほじくりかえす議員はいてほしくないのでしょう。とまあ惨澹たる市議会ですが、市民の無関心に助けられ、安んじて市当局と馴れ合っておれる今の状態も、いつまでも続かないでしょう。(晴)

 付記ー芦屋市議会3月定例議会最終日の3月23日、市議会は畑中俊彦市議に対する辞職勧告決議案と、長谷基弘市議に対する問責決議案を可決しました。そして、マスコミもこの報道を、ようやく実名報道しました。畑中市議は決議が採決される前の弁明で、「書類送検も起訴もされていないのに、まるで犯人のように扱われている。決議案は到底、承服できないし、法的な対抗手段をとることも辞さない」と述べたといいます。
 たしかに、畑中市議の主張はその限りで正当です。マスコミによる犯人視報道がどれだけ報道被害を生み出し、冤罪さえ生み出してきたことを考えるなら、匿名報道の重要性は明らかです。しかし畑中氏は、市議としての職務に関わる疑惑を受け、その疑惑に対して説明責任を負うていることを自覚すべきです。その限りにおいて、彼にはプライバシーはないし、実名報道も当然です。辞職勧告決議案を出されてから毒づくくらいなら、もっと早く疑惑を晴らすための記者会見でもなんでもやればよかったのです。
  

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USJとシーガイア


 元旦からこちら、関西のメディアはこぞってUSJを特集しています。
 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、それはいったいどんなものでしょうか。東京ディズニーランドに匹敵する関西初の大型テーマパークらしいのですが、ディズニーランドに行ったことのない私にはよくわかりません。しかし、前売り券は飛ぶように売れ、海からのアクセスは15航路の開設が決まり、神戸市内のホテルは船会社と提携して会場アクセスを確保して宿泊客の誘致合戦、等々・・・
 USJは初年度の入場者数を約800万人と予想し、その目標達成は確実だといいます。また経済波及効果についても、大阪市内で8600億円、全国では1兆3000億円だそうです。阪神高速道路公団と大阪市は42億円をかけて「ユニバーサルシティ出口」をつくり、JRのユニバーサルシティ駅とあわせて陸上アクセスも完璧です。しかし、ピーク時には同出口を先頭に各方面に向けて計20キロ程度の渋滞が予想されています。
 これほどに鳴り物入りでオープンする施設がかつてあっただろうかと思いつつ、本当にうまくいくのだろうかという疑問もあります。期間限定の博覧会ならその熱気を閉幕まで持ちこたえられますが、大掛かりな施設だけにそれを維持するだけでも巨額の経費が必要です。USJに限らず大型テーマパークが定着するためには、リピーターの獲得が大きな課題と言えます。
 ところがこのリピーターの獲得のためには、大きな出費を重ねてもなお繰り返し行ってみたいと思わせる魅力が必要です。一度だけならものめずらしさで高い入場券も売れますが、繰り返しがだめでつぶれた大型施設は数え切れないくらいあります。そうした施設もUSJのように開幕前は大騒ぎとなり、われもわれもとそのおこぼれに預かろうと群がったのではないでしょうか。
 私たちはその典型例を、大型リゾート施設「シーガイア」に見ることができます。しかも現在進行形の姿で。最もこの施設には、南国宮崎になぜ世界最大の室内プールなのか、という疑問があります。さらに、第3セクターなので、何らかの形で自治体財政を圧迫します。国を挙げてのリゾート開発のつけが、第3セクター方式の大型施設の赤字経営を全国で進行させているのです。この過程で誰が儲け、誰が利権を掴んだのか、それは言わずもがなですが、その付けがどこに回るかも明らかです。
 さて、それではUSJはどうか、その行方に私には何の関心もありません。生来行列に並ぶのが嫌いなので、そういうところには近づくつもりはないし、私企業だから潰れようがどうしようがかまいません。ただひとつ気になるのは、交通渋滞が予想される阪神高速湾岸線です。何しろ、ピーク日には神戸市内まで深刻な渋滞を引き起こすと予想されているのです。この高速道路は比較的空いており、道路公害を緩和するために神戸線から車を迂回させることになっています。それが大型テーマパークの開業によって妨げられるようなことは、あってはならないと思います。
      (晴)

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アフリカ友の会


アフリカのエイズ患者を支援する目的で結成されたのが、アフリカ友の会です。会の中心になるのは、中央アフリカ共和国の現地で日夜、看護にあたっている助産婦徳永瑞子さん。私は、2ヶ月に一度送られてくる会報を手にしながら、いつか読者の皆さんに紹介したいと思っていました。
うみづな舎という助産院を活動の拠点としていた頃、西宮で徳永さんを招いて交流会を持ったことがありました。彼女の第一印象は、すらっとして背が高く一見普通の女性ですが、話を聞きながら底の深さを感じました。助産婦でもある彼女は、現地の女性たちが産前産後ほとんど休まず家事や畑仕事をこなしていること、だから安産であることを教えてくれました。幼い頃喘息持ちで、過保護に育てられたなど思わせないバイタリテイは、きっとアフリカへの熱い思いが生み出したものでしょう。
結成以来8年余りが過ぎ、会報の部数も当初200部から1000部に増え、支援の輪が広がっています。その事務的な仕事は、すべてボランティアで担っており、集まった支援金は首都バンギ市内の「ブエラブ保険センター」での活動資金になります。エイズ患者の治療はもちろんのこと、エイズに感染しているが比較的小康状態の患者には、センターの手伝いや自立を促すための手仕事を指導したりと、活動内容は多彩です。献身的な活動が認められ、2001年7月から新たなプロジェクトチームが誕生する予定になっています。
しかし、このプロジェクト管理をめぐって、中央アフリカ共和国厚生省か民間団体にするかで検討を要したようです。というのも、政府に任せれば政府高官の家族や知人たちが優先され、一般の人々まで薬が届かないことが懸念されたからです。7月からは「アフリカ友の会三者併用療法チーム」となり、フランスの国際連帯治療基金(FSTI)から資金が援助されます。また、10月ごろには、アメリカからの世界銀行HIVエイズプロジェクトチームのスタッフが加わるという、うれしい報告です。
「アフリカ友の会」の賛同者には、カトリック教会や修道会の名前が並んでいます。時には、中学校で地域の人にも呼びかけ、古切手を集めたという便りを見かけます。友の会の方の講演が中学校であり、この活動を知ったということです。私のまわりにも広げて行きたいものです。
         (恵)


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震災復興予算の行方


 震災復興事業には、国からの補助金が出ます。この補助金を有効に活用できるかどうかは、それぞれの自治体の力量にかかっています。と言いたいところですが、どんな予算であれ付いてしまえば、しゃぶり尽くしてしまうのがお役所のおきてです。その典型例が、尼崎の高級文具大量購入でした。
 これは、尼崎の築地築土地区画整理事務所が国庫補助金を消化するため、高級文具を大量に購入していたことが発覚したケースです。ただ予算を消化するためだけに、利用しきれないほどの、しかも不当に高級なものを、事務所の連中は買っていたのです。あてがわれた予算を使い切ること、これは次の年も同じ規模の予算を得るために行われるもので、これが出来ないとお役人失格になるようです。
 こんなことは常識を持っていたら出来ないことですが、さらに問題なのは買ったはずの現物を今もって確認できないでいることです。1995−97年度に433個のレターケースを買ったことなっていて、そのうち使用中はたったの19個、保管中のものが318個です。あとは小学生でも計算できますが、96個が行方不明なのです。これを調査しようと事務所を訪れた監査委員の酒井一市議は、柳田勝敏開発部長らのピケに阻まれています。あっぱれ、お役人のカガミというべきか、恐るべき責任逃れのための実力行使です。
 次の事例は今年になって発覚した、芦屋市助役富田邦裕の汚職です。この人物は国から派遣され、芦屋市はこの人物に月額165000円の豪華マンションを本人負担39000円で貸与していました。特権待遇を受けていた富田は復興事業への参入を条件に、業者から現金を受け取っていたのです。高級官僚は多額の国家補助をもたらすようだが、その分より多くの腐敗・堕落のタネももたらすようです。
 さてこの人物の処遇はどうなるのか、当然クビになるものと思うでしょうが、そうではないのです。というのが、北村春江市長が富田助役を解職し、富田は国土交通省にに復職し、近畿地方整備局付けになったのです。公務員は禁固刑以上が確定すると失職しますが、「芦屋市在職中の処分は市に判断してもらうしかない。出向先での事件を国家公務員法の懲戒対象にするのは難しい」(国土交通省人事課)のだそうです。
 凄い手品もあったもので、出向先から帰るだけで、賄賂を受け取った人物が何の懲戒も受けずにすむというのです。こんな人物を招き入れた北村市長にも半分くらいは責任があるわけで、自らの手で懲戒免職にすべきだったのです。解職で厄介払いというのは、責任逃れに過ぎません。
 さらにもうひとつの事例は西宮市ですが、これで阪神間の3市が枕を並べての討ち死にということで、この種不祥事が偶然ではないことを証明しています。西宮市のケースは、復興事業の国庫補助金で大量のコピー用紙を購入し、他の部局に流用したものです。尼崎や芦屋に比べれば罪は軽いと思うかしれませんが、あまった補助金を返さずに裏金としてプールしていたというのが実態で、ことの本質は全く同じです。
 復興事務局が1998年度の補助金で購入したコピー用紙は約2800万枚、その9割を他の部局に横流ししていたのです。ただし、その現物は存在していなかったのです。数字の上でそうなっていただけで、業者が保管していたといういいわけも、あと知恵に過ぎません。さらに問題なのは用紙価格が高すぎる点で、市と業者の癒着も見逃すことは出来ません。2000年度からはA4規格1箱・2500枚入りが2800円となり、前年より38%も安くなっているのです。その価格差による利益は、誰の懐に入ったのだろうか。
 市民オンブズマン兵庫代表の森池豊武市議は、「実際にコピー用紙を購入していないのに、市は業者に架空の契約書や納品書を作成させ、購入したように装った疑いもある」と指摘しています。これらは補助金の不正流用にとどまらず、虚偽公文書作成、同行使容疑となり、立派な犯罪です。この件では2月1日、森池市議が中心になって市の幹部と業者を神戸地検に告発しています。私も西宮市民として180名を超える告発人に加わり、この犯罪をうやむやのままに終わらせてはならないと思っています。
        (晴)

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子育てにゆとりを


最近、子どもへの虐待の記事をよく見かけます。寒さに震える我が子をベランダに一晩放置した父母、生後数か月の乳児を泣き止まないからといって、お腹を踏んづけ死亡させた若い母親。耳を疑うような出来事が次々と報じられています。
日本ではこれまで、虐待についての法的な定義づけがなく、児童福祉法第28条「保護者の児童虐待」という枠の中でとらえられてきました。しかし、深刻化する現状に対応するため、2000年5月17日、ようやく「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」が成立しました。この法律が出来たことによって、保護者などの親権を実質的に制限し、虐待を受けている子どもを保護者から引き離しやすくなりました。現状はやっと、社会的にも問題とする認識に至ったというところでしょうか。
諸外国に法的整備で出遅れた日本ですが、内容の不充分さ、つまり法的摘要範囲の狭さにおいても遅れをとっています。アメリカでは、1970年代から子どもの虐待への取り組みが進められました。現在では、毎年約300万件が報告されているそうです。日本での年間報告件数はせいぜい1万2000件(1999年度の全国の児童相談所の受付件数)で、桁違いの数字です。この格差から、アメリカの方がひどい、と単純に受け取っていいのでしょうか?
アメリカでは、虐待の範囲が日本よりもかなり広く規定されており、加害者の範囲では、保護者以外のおとなによる虐待も法律で罰することが出来ます。また、きびしい通告義務もあり、通告を怠ると資格剥奪も含む処罰を受ける恐れがある、というから日本の法とは比べ物になりません。件数も多くて当然、ということでしょうか。
子育てが大変な乳幼児の頃、色んなことを相談できる知り合いや、気軽に子どもを預かってくれる公的な場所があれば、どれほど助かることでしょう。母親になったから育児を全うしようなどと、思わないほうがいい。おとなの成長も子育ての体験から得られるはずだから。勉強が出来て素直な子どもが「よい子」、おとなの勝手な価値観で作られた「子ども像」なのです。子どもにとっては迷惑な押し付けで、これも社会的には虐待に通ずるもの。私たちおとなも日常的な点検が必要と言えるでしょう。
         (恵)

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続・管理人の日々


 そういえば、いつだったかこんなこともありました。
 夜おそく、誰か帰ってきた人が、市営住宅の玄関口からエレベーター前、さらに上のほうの階で大声を出し、手すりを何かで叩いているのです。これはもう、放置しておくことも出来ません。嫌だけど、管理人として出ていかざるをえません。
 その人物は6階の住人のBさんで、よっはらって帰ってきて、何か喚いているのです。この老人は日ごろから不満があるようで、酔っ払った勢いでその不満を誰とはなしにぶちまけているようでした。
 とりあえずそれだけなら、単なる酔っ払いじいさんで、どうということはなかったのです。しかし、よく見ると、手に刃物を持っていたのです。それも、刃が20センチ以上あって、折りたたんで柄に収められるようになっているやつです。
 これを見たときには、さすがに驚きました。いつでも逃げられるように距離をとって、あれこれなだめすかしていたら、刃を収めたのでほっとしました。とにかく、夜おそいので他の住人に迷惑がかかる、はやく家に入るようにと繰り返したのですが、相手はよっぱらい。おさまりかけると、また振り出しにかえって喚き出すのです。
 酔ったら騒ぐBさんも、昼間見かけるといたっておとなしそうなのです。酒がはいって酔っ払うと人格が変わる、そんな人はどこにでも居ます。飲まずにはいられない、酔って心にたまったものを吐き出さずにはいられない、そういう人が多いのでしょう。しかし、それが暴力となってまわりの人を傷つけたりするなら、寛大ではおられません。それにしても、Bさんの心の中にはどんな闇があるのだろうか。
 それからこれも夜中の事件ですが、廊下で女の人が助けを求めているのです。仕方なく、パジャマのまま出てみると、パンツ姿の男が住人のCさんに暴力を振るっているのです。もう最悪です。とりあえず間に割って入ったのですが、男がなおもどついたり蹴ったりで、Cさんは血を流し私のパジャマにもつくし、もう動きがとれません。
 それに、他の住人は誰も出てきてくれないのです。結局、かみさんが警察を呼ぶまで、ずいぶん長い間そうしていなければならなくて、本当にあの時はまいってしまいました。これはいわゆるDV、ドメステックバイオレンスというやつです。夫婦ではなかったのですが、揉め事が暴力へと発展したのか、暴力によって揉め事を解決しようとしたのか、何れにしろ最低の男でした。
 ところで、仲裁に入ったとき、男がなおも暴力を振るおうとするのを力で押さえることも出来たのですが、それは出来ませんでした。というのは、そんなことをして恨みを買い、後で家族に何かされたら困ると、とっさに思ったのです。とまあこんな具合で、管理人の日々は実に多難です。(晴)

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家電リサイクル法


 大学に通っていたころ、一人暮しを始めた娘が、この間引越しをしました。社会人一年生となり経済的にもゆとりが出来たのでしょう。それにしても結構、荷物があったようです。ごみも出ましたが、粗大ごみにテレビとベット用のマットが有料の対象になりました。テレビは小型なので300円、しかしマットはスプリングいりなので1200円もかかります。結局、マットは市の清掃工場に夫が直接持ち込み、無料となりました。
 ごみが深刻な問題となり、「家電リサイクル法」の施行も間近となりました。西宮市が全戸配布したチラシによると、今年4月から「家電リサイクル法」がスタートするようです。対象になるのはエアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機の4品目で販売店が引き取ることになります。
 消費者はこれからリサイクル料金と収集運搬料金を支払わなければなりません。大手メーカーが公表したリサイクル料金は、エアコン3500円、テレビ2700円、冷蔵庫4600円、洗濯機2400円とかなり高額です。しかも収集運搬料金も上乗せして。
 次から次へと新商品を売り出しては、販売競争に明け暮れていた大手メーカー。製造元でリサイクルが義務づけられるとなると、製造方法の変更も必要になってくるでしょう。
 テレビの宣伝でよく見かける最新式の冷蔵庫には、扉を開けずに中の食料品が解かる物
があります。私には、なぜそれほどまでに人間を過保護にする必要があるのか、疑問がよぎります。賢い消費者が、商品開発に改善をもたらす、買う側の責任も問うていかなければなりません。
 ごみの減量のために、我が家では不用の衣類・雑貨などは近所の人にゆずったり、バザーに出したりしています。娘たちが通う小・中学校では、制服・体操服のリサイクルもあります。物を大切に、子どもたちの心に響いているでしょうか。
 日常的に出る家庭ごみを、東京23区のうち5区が個別収集サービーをしている、という記事を見ました。65歳以上の一人暮しの高齢者、または体が不自由な一人暮しの人が対象で、喜ばれているようです。これからは、各自治体で地域に合った取り組みが期待されそうです。そして、環境のための更なる研究が企業の評価となる時期がきたように思います。
        (恵)

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お役所仕事


 昨年の10月にオープンした西宮市女性センター(正式名称は「男女共同参画センター」というものですが)も、早4ヶ月が過ぎました。市の運営とされながらも、センター内で場所により、管理する課が異なるなど不都合な点が見られます。先日、センターに登録しているグループの有志と男女共同参画推進課との話し合いが持たれました。
 この5ヶ月間、センターを利用してみて改善してほしいこと等、率直に出し合いました。まず、駐車場の料金ですが30分で200円と、とても割高です。駅前という立地条件も良くその分、商売目的としてなら当然の料金額かもしれません。しかし、センターを利用する者にもなんの配慮も無いとは、納得できません。
 担当課長の言い分は、自分たちも職員として駐車場を利用する時は同額の料金を支払っている、という現状維持を認めている内容です。しかし、よくよく聞いてみると、駐車場を管理しているのが市ではなく管理組合(分譲マンションも併設している)なので、管轄外ということらしい。
 市内の公民館や会館では無料の駐車場は確保出来ているのに、これではサービスの低下と言われても仕方ありません。話し合いの末、管理組合の定例会議で交渉することになりましたが、市の姿勢のいい加減さに呆れるばかりです。来年度の行事計画にしても、受け身的な姿勢は変わりないようです。
 予算が決まらないと計画が立てられない、これでは予算に合った行事しか出来ません。自主的に計画をたて、予算額の要求を出すという姿勢こそが必要なはずです。やはり、お役所仕事でしかないのが現状のようです。
 昨年の女性センターのオープン行事に、5万円の予算しか組めていなかった、そんな貧弱な市政に期待も何もありませんでした。しかし、今年の1周年記念には数十万円の予算を取り、内容も市民から募った実行委員で決めると課長からの提案。これは、今回の話し合いで一つの成果と言えるでしょう。
 センターの利用率が平日は40%を切るという、低調ぶり。働いている者にとって平日の昼間は利用は困難なことです。子育て中の母親たち、高齢者で元気な人などが利用しやすい昼間の特典つきサービスなど、一工夫欲しいものです。センターを活性化するためにも、どんどん要望を出していくことにしましょう。     (恵)


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管理人の日々


 第2子誕生前に入ったこの市営住宅も、早いものでもう18年目になります。入居の条件が管理人になるということで、これまでいろんなことがありました。それも、管理人でなければ体験できないような危ない出来事もありましたが、それはそれで、ひとつの人生経験となっています。
 そのなかには死との遭遇もありましたが、一月半ばにもひとり暮しの初老の男性の死を知らされました。私はこのAさんに会ったことはありませんが、震災後入居してきた方でした。この市営住宅はかなり古くて、その分家賃が安いので、Aさんのようなひとり暮しの老人や老夫婦が震災後増えています。
 昨年11月、そのAさんがらみで怖い思いをしました。その日は平日でしたが、仕事が休みで家でくつろいでいたら、住人の方が「隣りの様子がおかしい」と言って来たのです。もう何日も音もしないし、宅配の食材がドアの前にたまっている、警察にでも知らせたほうが良いのではということでした。
 とりあえず現場まで行ってみましたが、もちろんドアも窓も締まっているし、何の応答もありません。仕方ないので隣りの家のベランダから覗いて見ることにしましたが、そこは7階です。本当に怖かったけど、ベランダづたいにAさんのベランダに入ると、ガラス戸が開きました。
 そこから中に入ったのですが、死んでいたりしたらどうしようと、恐る恐るでした。そういえば以前にも、家の中に誰か居るかもしれないので見てくれということがありました。その時はバットを持ってそろっと入ったのですが、本当に泥棒でも居たらどうしようと思ったものです。
 結局Aさんは留守で、やれやれでしたが、出る時もベランダづたいで怖い思いをしました。それでも、近所の人たちも安心したので、管理人の仕事をひとつやり終えた気分になり、私も役にたてて満足な気分になったものです。そのAさんが年明けに亡くなったのでした。
 では家を空けていた間、Aさんはどこに行っていたのでしょうか。12月にAさんが挨拶に来て、救急車で病院に運ばれて入院していたという説明がありました。私は留守の間に勝手に家に入ったことで、苦情があるのではと思っていたのですが、その時Aさんはお礼に高額の商品券を持ってきたのです。
 その商品券は返すわけにも行かず、Aさんの近所の方と分けたのですが、Aさんがどんな思いでその商品券を持ってきたのか、あれこれ考えてしまいました。ひとり暮しで病弱になったらどんなに心細いか、何かあったときに誰か気づいてくれるだろうかといった思いが強かったのだろうか、とか思ったりしています。
 住人の死ということでは、こんなこともありました。震災の前のことになりますが、向かいの棟で離婚後ひとり暮しとなった男性の首吊り自殺がありました。臭いというので管理人が戸を開けたら物凄いにおいだったそうです。哀れな死でした。サザエさんの人気が衰えないのは、平凡だけど3世代同居のほほえましい姿が、失われたものの郷愁を誘うのかもしれません。
 老いと死は誰にも訪れますが、豊かな老後や安らかな死を迎えるのはますます困難になっています。Aさんのような死は、これからもっと当たり前のものとなっていくのでしょう。その時、重い扉の中で何が起こっていようと誰も関心を寄せなくなったらどうなるのだろうか。
     (晴) 

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時代遅れ


 時代を追うもの終われるもの、時代遅れとなって忘れ去られるもの。私たちの新聞「 Workers」は時代警鐘を鳴らしたいと思っていますが、果たして鋭い鐘の音が聞こえるでしょうか。
 20世紀が幕を閉じ、時代は某首相の口癖にもあるようにIT革命を経て、iモードやEメール、インターネットを使いこなす時代になりました。つまり、これが出来るか出来ないかが、このリストラ吹き荒れる時代の生き残りを決する時代になったのです。
 ところで、新年を迎えた日本人がまずすることは何でしょうか。十中八九は年賀状を読むのではないでしょうか。今やこの年賀状が、時代遅れとなりつつあるのです。考えても見てください。官製の年賀状は11月1日には発売となり、12月15日から受け付け、とにかく早く出せとせかされます。
 従って、元旦に配達される年賀状はその遥か前に書かれたものです。しかも儀礼的なものや、企業・小売店からのものも多くあります。そしてこのシステムを支えている郵便局の実態はといえば、私がその仕事を始めて30年、何も変わっていません。
 それは単純明快に人海戦術、膨大な人手による処理です。最近、郵便番号の7桁化があったではないかと訝るかもしれませんが、主力はあくまで人手です。毎日到着する年賀状を1軒ごとに、トランプでもするように合わせていく手作業です。21世紀を迎えたというのに、これからも郵便局を辞めるまで、こんな作業を極度に疲労を蓄積させながら、毎年末続けなければならないのかと思うと情けなくなります。
 しかし一方で最先端機器も、うまく使いこなせなければかえって不都合なものとなります。7桁区分機も、7桁の郵便番号が正しく書かれていなければ、間違いの元になります。例えば、引っ越したのに前の郵便番号のままだと、前の住所のところに送られてしまいます。これは人間の手で訂正してやらない限り、区分機ではどうにもなりません。
 そんなあれやこれやを考えた結論が、21世紀を迎えたことだし、この際「年賀特別取り扱い」を廃止し、クリスマスカードなんかと同じように到着したらどんどん配達したほうが自然ではないかということです。そもそも、元旦までためておいてというのはいかにも不自然です。
 今だと、そそっかしい人は12月15日以前に年賀状を投函する人もいるし、間違えて年内に年賀状を配達しようものならどんな苦情が来るか、それは大変なものです。実際現場では、昨日年賀が配達されてしまったとか、こういう年賀が混入してしまったから気をつけてとか大騒ぎです。土台すべてを完璧にこなすことなど、不可能なのです。
 昨年、遅れ馳せながらパソコンを始めた私は、Eメールの年賀状を何通かもらい、返事も出しました。テレビの宣伝でもあったけど、これからはこういうリアルタイムな通信手段による新年の挨拶が増えるのではないでしょうか。
 それは好みもあるだろうし、郵便の現物性も捨てがたい魅力があるから、年賀状をなくせというのではありません。そうではなく、本当に出したい人だけが出せばいいし、新年を迎えて年賀状を書くようにすればもっと自然なものとなるのではと思うのです。 (晴) 

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大人に成れない若者


 今年は第2日曜が8日と最も早く、成人式が行なわれました。大人の仲間入りといっても、選挙権が得られるぐらいで、実生活では変わらないのではないでしょうか。高卒で就職する者が少なく、親の出資で大学・短大・専門学校などに通う者がほとんどでは、自立を考えるのにはほど遠いのが現状です。
 経済的にも、精神的にも親からの自立が、なかなか困難な環境が若者の中で、1つの傾向として現れてきています。大学を卒業したけれど、自分の希望した職業に就けないから当面フリーターで仕方ない。あるいは、会社に縛られたくないから、自由な時間を作りたいからと積極的にフリーターを選ぶ若者がいます。
 しかし、本当の意味でフリーターが、自由で充実した日々を送ることが可能でしょうか。1時間当たりの時間給で給料は低く、有休もなく保険もなく、もちろんボーナスも退職金もない。将来の保障、いや1年先の保障も無い不安定な身分なのです。自立して生活するなど到底、無理な話です。フリーターを続けるには親の援助が不可欠という訳です。
 パラサイト・シングルは流行語になりましたが、親子の関係をそのまま表現したといってもいいかもしれません。居心地の良い生活が維持できるなら、敢えて自立という責任を伴った環境を選ぶ必要もないでしょう。好きな人が現れ新しい生活を始めるということでも無い限り、親に寄生し安易な生き方を続けることでしょう。
 子どもの将来のことを考えると、一人でも生活出来るだけの経済力と生活力を養うことが1番だと思います。幼い頃から欲しい物が何でも手に入る、こんな環境は楽に生きる人間を形成してしまうのでしょう。出来るだけ自分自身の努力で欲しい物を得る、こんな習慣をつけさせたいものです。
 家族が家事を分担して、お互いに助け合うことは当たり前のことかもしれません。しかし、お互いが顔を合わせる時間も無い忙しい社会では、こんな簡単なことも出来ていません。20歳になって、こんな抱負があるとか、大人になる自覚や責任をせめて家族の間で話が出来たら、いいのにと思ってしまいます。我が家では、3年後には成人になる娘がいます。今はクラブに夢中ですが、3年後はどうなっているのでしょう。
         (恵)

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惨憺たる県議補選


 12月17日は朝から雨で、途中で止むことなく一日中降り続きました。そういえば、このところずっと日曜日は雨です。せっかくの日曜日、屋外での催しもあるだろうに、文字通り水を差すような雨です。私も大阪に出る予定があったのに、投票所へ行った以外は、ずっと家で過ごしました。
 西宮市ではこの日、現職死亡と市長選への立候補で辞職した兵庫県議の、補欠選挙がありました。西宮市では11月19日に市長選があったばかりで、2名の枠に3名が立候補した県議補選は盛り上がりを欠き、投票率がどこまで下がるかが関心の的でした。
 ふたを明けてみると、一日中雨ということもあって何と16・95%、5・9人にひとりしか投票所へ足を運ばなかったのです。西宮市では過去に参院補選で12・87%という記録があり、今回が最低ではありません。しかし、ここまで投票率が下がると選挙そのものの有効性が問題になるだろうし、議会制民主主義の非民主制は覆うべくもありません。
 補選そのものについては、市長選に出た大前繁雄氏が立候補を決意した時点で県議を辞職していたら、市長選と同時選挙をやれたのです。選管もそのつもりだったようですが、大前氏がなぜかそうしなかったのでこういう結果になったのです。市長選に負けたら補欠選挙に出るつもりだったのだという噂もありますが、大前氏がどういう思惑を持っていたのかは分かりません。
 ところで今回の補選で勝ったのは、現職死亡した県議の息子で自民党の北川泰寿氏(22595票)と前回落選した共産党の都築研二氏(18066票)です。そして敗北したのは牧野祥子氏(15494票)、大前氏が後継候補として担ぎ出した人物です。牧野氏は自由連合から前回の衆院選に立候補しており、反動県議大前の後継にはふさわしい人物でした。
 さて共産党の都築氏は、直前の市長選で共産党が獲得した13569票に4500票ほど上積みしました。しかもこれは、投票率が半減するなかでの数字です。ここには、投票率が低いと共産党に有利という事実が、如実に現れています。共産党の組織票は、投票率に関係なく安定しているが、無党派層の足を投票所に向けるだけの魅力を欠いているようです。
 都築氏の当選はまた、オール与党の兵庫県政に選挙で答えるには、共産党に投票する以外にないという事実も明らかにしています。県が進めている武庫川ダム建設に、最も精力的に反対活動をしている県議は都築氏でした。選挙の結果、共産党は民主・社民で構成する会派と並んで県会第2会派となりましたが、議会主義に染まった共産党に多くは期待できないでしょう。
 唯一の野党が共産党であり、圧倒的多数の市民が選挙に背を向けている状態は、兵庫県や西宮市だけではない全国的な傾向だと思います。ダム建設や空港建設に反対する市民の闘いは、自治体行政や議会の壁に阻まれ、遅々として前進しません。しかし、20%にも満たない投票率というのは、既成政党の破綻と議会制の自壊を示すものであり、私達も闘い続ければチャンスがあるのではないでしょうか。(晴)    

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正月の思い出


 元旦の朝9時、白鷺城で名が知れている姫路城の天守閣をめざして、階段を一段ずつ上り詰める。さすが、年に1度の無料とあってたくさんの人が上っている。天守閣から見る眺めは、見晴らしが良く毎年恒例だが飽きない。昼からは叔父さんや叔母さんがやってくる。従姉妹達とも久しぶりに遊べる。お年玉はうれしいが、お手伝いが待っている。
 私が子どもの頃に過ごしたお正月の1日です。父親が長男のため、私は大家族のなかで育ちました。親戚の者は正月の挨拶に、実家に訪れます。母親は毎日働きに出てやっとの休みだけれど、料理を作りお客さんの接待に忙しいのです。そんな母親に、しらんぷりは出来ません。それでも従姉妹達とのトランプや双六などをして、大勢で遊ぶことの楽しさを今でも忘れていません。
 そして、核家族で育った我が家の娘達。お客さんの接待もなく、自由気ままな正月を過ごしています。普段とあまり変わらない家族だけの正月です。私たちも若くて子どもの幼い頃は、それぞれの実家で親戚一同で集まったものです。しかし、それぞれの都合でそのような機会もなくなりました。
 とりわけ正月だからといって特別な事もないこの頃、子どもにとってはどうでしょうか。久しぶりの親戚との出会いは、煩わしさもありますが懐かしい想いも感じさせてくれます。生活環境の変化は、正月の素朴な行事を私たち自身からも遠ざけつつあるのが現状です。
 さて、皆さんはお正月をどのように迎えられましたか。田舎でのんびりとされた方もあるかもしれません。私は、年賀を配り終え家路に着き、やっと10日ぶりの休暇をとれる予定です。今年も色鉛筆でお目にかかることになりますが、よろしくお願いします。
        (恵)

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ずるい奴ら


 12月8日、提訴から12年を迎えた尼崎公害訴訟が和解しました。今世紀中の解決を求めていた原告団の望みがかなっかですが、多くの原告の方々は無念の涙を呑んでいるのではないでしょうか。
 和解の内容には、ディーゼル車の排気ガスや大型車の走行について、今後国が取り組むべき対策が明記されています。例えば、道路公害の元凶と言われているディーゼル車の排ガスを少なくするための諸方策や、大型車の他路線への誘導策等があります。それらは、以下のようです。
 和解文曰く、「本件地域になお環境基準を上回る汚染実態があることを踏まえ、本件地域の交通負荷を軽減し、大気汚染の軽減を図るため、国の関係行政機関および地方公共団体とも連携して、環境庁、道路管理者としてとりうる以下の施策の検討ないし実施に努めることとする」
 まず目を引くものとして、阪神高速神戸線と湾岸線の料金に格差を設け、大型車を湾岸線に迂回させる環境ロードプライシングについては、早期に試行的に実施するとされています。しかしこれがどの程度の有効性を発揮するのか、「…実施に努める」だけの空約束に終わらないか、危惧を抱かざるを得ません。
 さらに、自動車排ガスの低減や低公害車の開発促進、大気環境の調査や健康影響調査などは、これまで国がやるべきことを怠ってきたものばかりです。むしろそうした対策をさぼってきた、あるいは故意にやらなかったために、道路公害で多くの人々が苦しむこととなったのです。
 そもそも今回、国があれほど和解を拒んできたのにここに来て和解に踏み切ったのは、
11月27日の名古屋南部公害訴訟で再び決定的な敗北を喫したことでも明らかなように、もはやこれ以上道路公害を放置することが許されなくなったからです。名古屋地裁は「道路の公共性を考慮しても、原告の損害は生命、身体に関わり回復困難」と述べ、浮遊粒子物質(SPM)の差し止めと国・企業に賠償金の支払いを命じています。
 仲間内のはずの司法官寮から見放されてしまった運輸省や環境庁の官僚は、時限爆弾を抱えてしまったのです。それでも彼らは、最後まで道路が健康被害の直接的原因であるということを認めなかったのです。ここには彼らの最も汚い本質、絶対に自らの非を認めないし責任をとろうとしない姿勢が、あらわになっています。
 再び和解文曰く、「人への健康影響の可能性を無視できないが、本件で問題となった非発ガン影響については、なお解明を要する課題であると考える」。なんと見事な言い回しでしょう。因果関係ははっきりしていない、というのが和解の立場なのです。
 この和解を本当に評価できるのか。この裁判が最高裁までもつれ込んでも、官僚たちは痛くも痒くもなかったのです。どうせたらい回しの役職を任期の期間だけそつなくこなせば、万事問題なしなのです。その間に原告が死んでしまえば、儲けものと考えているのです。
 だから国が和解に応じたのは、原告団が差し止めも賠償金請求も放棄したからであり、裁判で負けたのに実質的には奴らは勝たも同然なのです。高齢化した原告団の足下を見透かし、長期化で脅して勝訴の果実を取り上げてしまった奴らに心からの怒りを禁じえません。 
     (晴)

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人気の100円ショップ


 最近、私が通勤に使う道路沿いに、100円ショップが開店しました。店内には、文房具をはじめ台所用品、衣類、工具類など多彩な顔ぶれに驚きます。「独り暮しを始めるなら、100円商品で十分ね」と、若い女性の声も聞こえてきます。
 当初、プラスチック商品ばかりと批判していた私でしたが、この店では木を材質にした物や陶器などもあり、結構役に立つ商品も見受けられます。それにしても、100円とは安い! ついつい衝動買いにもなるらしいですが、元が安いだけにそれほど痛手にはならないようです。
 次々と店舗を開拓し売り上げを伸ばしている100円ショップ。なぜ、これほど売り上げがあるのか。かつて、町で小さな鉄工所を営なんでいたが仕事が無くなり、100円商品に乗り換えた業者が居ます。その業者が考え出した製品は手持ち鍋ですが、材料・見積り・生産は業者の責任で行なわれ、店頭での売り上げ成績次第で撤退も容赦ありません。厳しい競争のなか、生き残りを賭けた業者たちの犠牲のうえで、100円ショップは成り立っているのかもしれません。
 また、商品の裏には「maid in ○○」というふうに外国で作られたものが目立ちます。海外での安い労働力を利用した低価格の製品、これなら100円でも採算が合うという訳でしょう。日本の事情、海外での事情は買う側からすれば、どうでもいいことかもしれません。これからの計画では、クリスマス会でのゲームの賞品にと思っていますが、使い捨てと安易に考えたくありません。
 2000年も後少しで終わります。去年はコンピューターの誤作動騒ぎで、燃料、水の備蓄などに追い立てられていた記憶があります。そして、この時期私の職場では年賀繁忙期に入ります。毎年のことですが、体を壊さず何とか仕事を乗り切るしかありません。今年は昨年と比べ3名も少ない人員(21名から18名に)なので、どうなるのか不安です。しかし、人数分の仕事量しかこなせないと開き直り、管理者にその責任を任せることにしましょう。読者の皆さん、良いお年をお迎え下さい。 
        (恵)

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お役人の保身


 上は高級官僚から下は地方自治体の職員まで、お役人に必要なのは前例踏襲、責任回避、自己保身等の能力です。この能力を磨いたものだけが、長い役人生活の位階を上ることが出来るのです。高級官僚であれば国会議員や天下り法人の理事に、自治体職員なら首長や議員、外郭団体の役員等が、さしずめ双六の上がりといったところでしょうか。
 これが郵便局の場合はどうだろうか。本省や郵政局と現場の郵便局とはずいぶん違うし、実際に現業労働をしているものにはお役人意識などほとんどありませんが、課長あたりになると違ってきます。彼らは郵政省の末端職制であり、お役人の端くれなのです。
 ところで、郵便局はいま微妙な立場に立たされています。郵政省がなくなり、民営化は免れたものの、実体の見えない公社化が目前に迫っています。いつまで公務員でいられるかも怪しいし、民営化の圧力が再び高まらないとも限りません。
 そこで考え出されたのが「お客様第一」、お客様は神様ですという実に安直な方針です。つまり利用者におもねることによって、支持を得ようというのです。これが現場に下りてくるとどうなるのか、実に拙劣なものがあります。
 まず、利用者からの苦情にはすべて謝るという対応です。それがどんなに的外れでも、ご無理ごもっともと受け入れるのです。その結果、郵便は訳のわからない取り扱いになってしまっています。私の職場での事例はこうです。
 郵便にはそれぞれ利用料金が決められており、その取り扱いの違いが金額に反映しています。例えば、速達は速く受取人に到達するように別ルートで配送し手渡し配達をする、配達日指定は指定された日に配達する等です。この場合の料金はそれぞれ270円と30円で、格段の違いがあります。
 この違いを無視して、配達日指定を速達扱いにしているのです。しかも、それを記録に取れ、配達時間や手渡しかポスト配達か書けというのです。過剰サービスというだけではなく、これでは速達料金との整合性も壊してしまいます。
 管理者がこんな取り扱いをする理由は、配達日指定が配達漏れになったり、別の日に配達されて苦情が来たりしたからです。もちろん、この場合は謝るしかないわけですが、管理者がやるべきことは正しい取り扱いが出来るようにすることのはずです。
 30円とされた特殊取り扱い料金の郵便をマンションの上階まで持って上がり、手渡しするように彼らは部下に命じることで問題を解決しようとするのです。私はこんな言葉は嫌いですが、彼らのやっていることは「お客様第一」ですらないし、お役人の保身術に過ぎません。これはほんの小さな事例ですが、万事がこうなのですからたまりません。
 また、こうした実態は単に現場労働者が苦労をさせられているというだけではなく、利用者にとってもいずれマイナスとなって跳ね返ってくるでしょう。過剰なサービスは重荷になるに決まっています。宅急便との競争のために始めた、チルドゆうパックや配達記録郵便、夜間再配達が赤字を拡大しているように。
        (晴)

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中国からの挑戦


 久しぶりに、心を動かされるテレビ番組に出会いました。それは、日本にやってきた中国人留学生を追ったドキュメンタリー作品です。製作したのは32歳の中国人女性、張麗玲さん。作品の内容が優れているのは勿論ですが、彼女が製作するに至るまでの、涙ぐましい努力と勇気ある行動に胸をうたれました。一瞬、何か忘れていたものに気づかされた想いでした。
 彼女、張麗玲さんも中国からの留学生でした。日本の大学を卒業し、大手の商社に入社し、製作活動が始まります。まず、彼女は飛び入りでテレビ局に出かけ、製作するための記録カメラを借してほしいと頼みこんだのです。彼女の熱意が伝わり、睡眠時間も削り彼女の眼は、留学生を撮り続けることになります。しかも、4年の歳月をかけて。
 実は、この作品は今年5月に中国で放送されました。多くの人民がテレビに釘付けになり、「勇気を与えられた、感動した」という反響が寄せられ、彼女は一躍有名になりました。なぜ、これほどまでに共感が持たれたのでしょう。言葉の壁をはじめ、物価が高いことなど日本社会で生きていくことは困難なことです。しかし、主人公たちは立ち向かっていき、克服していくからなのです。
 日本に居る父親のもとにやってきた9歳の少女、張素。見るからに、賢そうで意志の強い女の子。来日した翌日に、近くの公立小学校に入学し授業を受ける。日本語を全く知らない張素は、クラスの子どもが話かけてくれても分からない。張素の眼から大粒の涙が流れるシーンに、私は小さな子どもには重すぎる動揺と焦りを感じずにいられなかった。
 1年後、既にクラスの子どもと普通に会話をしている! こんなにも上達するなんて予想もしなかったのに…。日本語習得にかける意欲、情熱は並大抵ではなかっただろう。 「私は将来、日本と中国との交流をはかる外交官になりたい」13歳になった張素の頼もしい決意です。私はふと、日本の子どもに、将来を自分の利益だけでなく社会への貢献を視野に入れた選択が出来るのか、疑問になりました。
 他にも、19歳の女子学生で叔母さんを頼ってやってきた王さん。アルバイトを捜すが、中国人となるとなかなか見つからない。1年後、千葉大学に合格。男性では26歳というハンディを持ちながら、敢えて日本社会に挑戦する韓松。彼は、中国では県会議員の父を持つ上流階級の出身。日本での苦労でこれからの自分の生き方が変わってきた、と言う。
 これまでは、中国からの帰国者を自立支援するための施設は設けられていました。しかし、年々帰国者が減り全国20ヶ所の施設の内、5ヶ所が閉鎖を決定しています。厚生省は1800万円の補助金の打ち切りも決めました。それに逆行するかのように、月4万円の日本語学校の授業料を、自費で払ってまでも日本にやってくる中国人留学生。彼らの勇気と忍耐力は、きっと日本人の心も揺り動かすはずです。
     (恵)

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