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自衛隊の「参戦」を許すな!
  無差別殺戮を招く報復戦争をやめさせよう!

 ついに日本が「戦争に参加する」枠組みが作られた。一〇月二九日、「テロ対策特措法」等が国会を通過し、戦時に戦闘地域で自衛隊が戦闘に参加する道を開いた。
 これまで憲法の制約を盾にかろうじて封じ込めてきた「戦争」を、今後は労働者・市民による反戦闘争自体によって阻止しなくてはならない段階に入った。いま反戦闘争自体の質的飛躍が問われている。

■「誤爆」という名の無差別殺戮

 米軍の空爆や特殊部隊による地上戦で、日ごとに何の罪もない人間が殺されてゆく。
 米軍の空爆でこれまでNGO事務所、赤十字国際委員会倉庫、世界食糧計画事務所、病院施設、モスク、バス、市民居住地区、などが爆撃され、すでに一〇〇〇人の民間人が殺されているという。当初否定していた米国政府も、後日になって追認するパターンがアフガニスタンでも繰り返されている。
 米軍は「誤爆」だという。しかし「誤爆」は今回が初めてではない。想定外でもない。イラクでも、ボスニアでも、コソボでも、ユーゴでも「誤爆」は山ほどあった。「誤爆は避けられない」という。テロ組織の撲滅という「大儀」の前には多少の誤爆は「些細なこと」だと。「誤爆」で殺される人々の命は、ニューヨークでの無差別テロで犠牲となった命と違うとでもいうのだろうか。アメリカ帝国主義との聖戦のためにすべての米国人を殺せ、という無差別テロの論理とどこが違うというのだろうか。「国家テロ」は弱きものが手出しできない軍事超大国によるものだけに、より残酷というほかない。
 しかも空爆にはクラスター爆弾(集束爆弾)など、「非人道的」兵器も使用されているという。クラスター爆弾というのは、一個の大きな爆弾に異なる種類の数百個もの小爆弾が詰め込まれ、空中で炸裂して拡がった小爆弾から数千個の鉄片が飛び散る爆弾だ。この爆弾は軍事施設や迎撃兵器の周辺にいる野戦部隊兵士だけを標的にするもので、たとえ即死しなくとも長い間深い傷に苦しむという、文字どうりの「非人道的」殺傷爆弾だ。

■報復攻撃を止めさせよう!

 クラスター爆弾は、ベトナム戦争や、イラク、コソボ、ユーゴでも使用され、直接の死者の他、戦後においてさえ不発弾による死者も多数出ている。この爆弾が一〇月二四日に住民の居住地区に落とされ、多数の死者が出ているとイスラマバードの国連関係者が記者会見で明らかにした。タリバンは、空爆から逃れるために防空砲火を民間居住地区に移動しているという情報もあり、今後米軍による空爆でこれまで以上の民間人の犠牲者が発生する恐れもある。
 それに報復攻撃の被害者は空爆による犠牲者だけに止まらない。アフガニスタンからはすでに三五〇万人もの難民が周辺諸国に脱出しているが、米軍による空爆や地上戦で一五〇万人の新たな難民の発生が予想され、実際にパキスタンとの国境などに押し寄せているという。また避難したくてもできない貧しい人々は都市部に集中し、こうした国内避難民も数百万人にのぼると見込まれている。
 しかも空爆が始まってからは、国連機関やNGOがアフガニスタンから待避し、アフガニスタン国内での食料支援などができなくなっている。こうした切迫した状況のなかでこれからやってくる酷寒のなか、餓死や凍死の危険が迫っていると言われる。
 一方、米国では炭疽菌騒動で大混乱し、今後新たな生物化学兵器が使用される可能性もある。
 何の責任もない女性や子供や病人を含む多くの人々を殺戮する、何十、何百万もの難民を餓死と凍死の危機に追いやる、また再現のないテロと報復の悪循環を招く米軍によるアフガン空爆や地上戦攻撃を直ちに止めさせなくてはならない。

■戦争政策を呼び込む「軍需・石油複合体」政権

 米国の戦争政策を支えるのは、テロ攻撃を許してしまった「覇権国」の屈辱や報復といった「国家の論理」だけではない。テロ攻撃で突如現れた米国のナショナリズムの陰で、トマホークを作っているレイセオン等の軍需産業の株価がテロ事件後に急騰した。軍需産業は軍備拡張や戦争に結びつく事件は大歓迎なのだ。ブッシュ政権はそれでなくとも「軍需・石油複合体」政権と言われてきた。クリントン政権が「多国籍企業・ウォール街複合体」政権だったことと合わせ、米国政権はそうした連中に左右されてきた。米国による今回の戦争政策は、一方で危機や対立を煽り、他方で軍事力によって脅しを掛けるといった、多国籍企業や軍需・石油産業と結託した軍事支配国家のマッチポンプ的利害に根ざしていることがまたしても明らかになった。
 実際に一〇月二三日までにブッシュ政権は巡航ミサイル・トマホーク八〇〇基の増産を決めた。このトマホークの増産には九億六〇〇〇万ドル(一二〇〇億円)が投入されるという。すでに米国は報復戦争の「戦費」として四〇〇億ドル(五兆円)を計上しているが、その多くが航空・宇宙、石油をはじめとする軍需関連企業に流れることになる。
 米国政府は、昨年一〇月の時点で四億ドルの国連通常分担金や一三億ドルのPKO分担金納入を拒んできたが、いまでは四〇〇億ドルの戦費支出を惜しまない。国際的な対話や集団的解決方法では軍需産業の懐は豊かにならない。だから力の政策に傾斜する。米国の軍事的覇権や戦争政策は、そうした軍需資本と政府当局者の癒着体制から生まれるのだ。
 多国籍資本や軍需産業に支えられた「覇権」と「利権」には、搾取・収奪・抑圧される世界の民衆と労働者の共通の闘いを対置する以外にない。

■反戦闘争の質的飛躍を!

 日本では、自衛隊による米軍支援法であり、自衛隊「参戦法」ともいうべき「テロ対策特措法」などが強引に制定された。これは米国の承認なくしては政権が成り立たないという戦後保守政治の存立基盤と、地域覇権国家を志向する日本の支配階級の野望という、二つの要因の複合作用が露骨に現れたものだ。
 日本は第二次大戦の敗北もあり、米国の監視、アジア諸国の警戒、日本国内の反戦・平和の闘いという三つのハードルに阻まれて、軍事力の増強は押さえ込まれてきた。しかし経済大国化とともに肥大化する軍事大国化を志向する勢力は、事あるごとに自衛隊の増強に腐心してきた。
 小泉政権がどんなレトリックを用いても、重要なのは事実である。PKO法でははじめて自衛隊を海外に出した。周辺事態法でははじめて日本の領空・領海外での米軍支援に道を開いた。今回の「テロ特措法」でははじめて戦時・戦域への自衛隊の派兵と武力の行使ができるようになった。成り行きいかんでは実際に戦闘行動に参加する事態も想定される。そうなれば戦争をしない、戦力を持たない、交戦権を放棄する、というこれまでの制約はいっぺんに突破されることになる。目ざすは「闘う日の丸軍」としての登場である。
 憲法の制約が突破されたことで反戦闘争は終わったわけではない。むしろ「特措法」が制定され、憲法的制約が突破されたいまこそ、いかに自衛隊の戦時・戦域派兵を阻止していくかが問われる。
 「憲法改悪を許さない闘い」は当然継承していく必要がある。ただもっと重要なのは「憲法に依拠した反戦闘争」から、私たちの生活感覚に根ざした「憲法に依存しない反戦闘争」への脱皮である。戦争のただ中にあったアメリカのベトナム反戦闘争は、戦争を止めさせる主体的な原動力となった。それら諸外国の反戦闘争から学ぶべきことは多い。

■国境と民族を超えた労働者・市民の連携を!

 アジア金融危機に際しマレーシアのマハティール首相は、IMF(国際通貨基金)のやり方を「新植民地主義」と糾弾した。多国籍資本によるグローバリゼーションは、市場万能主義=弱肉強食原理による後発国からの収奪そのものだからだ。中東諸国など後発国の人々から見れば、資本のグローバリゼーションとは一部の王族・財閥や独裁者への富の偏在と政権の腐敗をもたらしただけだった。それに狭い部族社会という制約の内部であっても平等で平穏な共同体生活や相互扶助の精神が解体されることでしかなかった。後発諸国での反米意識や反米運動の拡がりはその結果である。
 「文明の衝突」という事態も、突き詰めていえば、利潤至上主義への対抗原理と思われたソ連型国家資本主義の虚構が破綻した冷戦後の時代状況そのものが、対抗原理としての「イスラム原理主義」を押し上げているだけだ。逆説的にいえば、本来資本の攻勢に対抗すべき労働者の階級闘争が脆弱であることの反映でもある。テロの横行もその一つの結果に過ぎない。私たち労働者としては、こうした反省は片時も忘れてはならない。
 いま必要なのは、パレスチナ、アラブ、イスラムの反乱として噴出している抵抗闘争を、弱肉強食原理、「覇権」と「利権」に対抗する、連帯と協同原理に基ずく国境を越えた闘いと結合することにある。
 当面の焦点は世界の反戦闘争の拡大・連携にある。日本の地から反戦闘争を拡大していきたい。
   (ワーカーズ 広)



「米の傲慢は許せない」
   ――静岡市民集会
   講演 アフガニスタン人医師 Aさん

 ブッシュの報復戦争が始まり全国的な反戦運動が取り組まれている中、ここ静岡でも7日・14日・21日と毎週連続した街頭宣伝やデモや集会が取り組まれてきました。
 特に、10月14日はアフガニスタン出身で医師であるAさんを講師に招いた市民集会が開催されました。Aさんの話は大変感動的な話であり、それを伝えたいと思いメモ報告を送ります。

 1979年アフガンにソ連軍10万人が進攻しました。この戦争は10年続き、アフガンで100〜150万人が死亡しました。米軍はソ連軍を撤退させるために「ジハード」聖戦を支持し、大量の武器をアフガンに支援しました。
 アフガンの大地は3分の1が山岳地帯、3分の1が平坦地、3分の1が砂漠です。アフガンでは麦が多く収穫されましたが、ソ連進攻により収穫ができなくなりました。それは、山が焼かれ、農薬がまかれ、枯れ葉作戦や、地雷敷設等によります。
 私は何度もアフガンを訪れました。そのとき、高級レストランで食事をし、外へでると、冬の厳しい寒さの中、シャツ1枚、はだしの子ども達が物乞いをしていました。残り物の食べ物を下さいといったので、レストランの中に戻り残り物をこの子ども達にやろうと思いましたが、中に入ると残り物は従業員が食べている最中でした。仕方ないので、少しのお金をやると、子ども達はお金では食べ物は買えないと言いました。つまり、圧倒的に食べ物が不足しているのです。
 難民キャンプでは、昼40度、夜0度という、厳しい気候の中、どんどん子供が死んでいます。アフガンの人口は2600万人と言われていますが、実際は2000万人もいないと推測されます。なぜなら、生まれた子供の20%が1才で、20%が5才で死亡、40%の子供が5才までに死亡しているからです。
 アフガンの青年に武器を捨てなさいと言った事があります。彼らの答は、「僕達が小さい時、親は人殺しに出かけ、英雄扱いされてきました。それを見育ったのです。なぜ同じ事をして悪いのか」と。彼らは平和を知らない。
 タリバーンが所有しているスティンガーは当時、米軍が与えた。米軍が恐れている地上戦での兵器は自らが与えたのです。こうしたことを考えると今回の戦争は単純なことでは解決できない。今回の米軍の空爆で156人が誤爆で死亡した。真っ先に犠牲になるのは常に子供たち、老人である。戦争はあってはならない。
 私はアメリカの傲慢な態度を許せません。京都で開かれた世界環境会議では環境を守る決議を無視した。そして、アフリカで開かれた世界人権会議ではアメリカ、イスラエルが退席した。その直後に、多発テロ事件が起きたのです。
 アフガンで何故タリバーンが支持されるのか。ソ連撤退後の無政府状態の中、学生(神学生)「タリバーン」が唯一立ち上がりました。パキスタン、アメリカはタリバーンを支援した。タリバーンは次々に制圧した地区で武器を取り上げていった。こうしてアフガンの人々は安心して生活ができる(戦闘のない)ようになったからです。
 大半のタリバーンの兵士は、「トマホーク」が海上から打ち込まれていることも、人工衛星でアフガンが監視されていることも知らない。つまり、国民みんなが悪いわけではない、なぜ、殺されなければならないのか?
 アメリカは「悪と戦う」と言っている。アフガンにとって全員が悪と言われるのは心外である。
 テロは許されない。しかし、その報復戦争も許されない。なぜなら、それがまた新たなテロを呼ぶからです。
 今、アフガンは「恐いものがない」「失うものがない」状態です。ソ連撤退後、世界はアフガンを孤立させ、世界で一番貧しい国にしてしまった。このことが今回の事件につながっていったのです。今からでも対話は可能である。
 この間、アフガンが一番期待していたのはアジアの日本である。何で日本が平和的に仲介に入ってくれなかったのか。日本は戦争の被害を体験している国である。そうした国が仲介をすべきである。
(ワーカーズ E・T)

「沈黙は犯罪」
   ――国際反戦デー 西宮集会
   講演 ジャーナリスト  松井やより さん

 今年の反戦デーは、米国の報復戦争をどう判断するのかを、指し示してくれる貴重なものでした。主催は、組合運動が低下する中で奮闘している、西宮地方労働組合協議会。講師は元朝日新聞社記者、現在フリージャーナリストの松井やよりさんで、会場は女性の参加者が目だっていました。
 講演では、まず、10月19日現在、市民グループがテロ対策法案成立阻止に向け国会前で、抗議行動を行なっていることが伝えられました。そもそも同時多発テロを戦争行為と捉え、報復に出た米国にたいし、この行為が国際法に違反することが指摘されました。何故なら、テロは国家によるものでなく、ある一部の組織が行なった国際犯罪だからです。しかも、米国の報復は、単に国連憲章の違反では済まされず、戦争犯罪に値すると厳しく批判がなされました。
 続いて、テロ事件を客観的に捉えるためには、なぜ米国が攻撃されたのか? を冷静に考えることが重要だということです。ここにテロ発生の背景があり、米国がかつて行なってきた「正義」と見せかけた「支援」が、実際は他国の人民の犠牲を強いてきたことが明らかになりました。
 例えば、ソ連のアフガニスタン侵攻の際にも、米国は人命よりも石油を守るために、タリバンへの支援を行なったのでした。ベトナム戦争での枯葉剤は、生まれてくる子どもに障害を残しました。そして、広島だけでなく長崎までも原爆を投下しました。米国は自国では戦場となった経験はなく、他国でのテロに値する残酷な行為は、誰からも批判されずに野放しの状態です。報復という感情的な対応でなく、過去の行動を反省し自粛すべきだったのではないでしょうか。
 今回のテロで、メディアの役割と一方で情報操作が為されている危険性も、ジャーナリストの立場で具体的に示されました。NHKのワシントン支局の記者は、戦争に肯定的で米国の意図通りの発言をしており、まさに軍事放送のように言論統制を強いられているように思える。情報化社会だから情報はどこからでも入手できると思い込んでいるが、疑って見ることも必要、等々。
 しかし、情報化社会だからこそ、個人の生の声をインターネットで知ることもできる。テロ発生の翌々日には、米国から「暴力によっては何も解決できない」というメッセージが届いている。アジアのNGOからは、グローバル化(貧困・環境破壊・人権侵害)への批判がなされている。…世界の各地から報復反対の声を結集し、統一的な行動が出来るのではと、勇気づけられる情報でした。
 ところで、松井さんの講演が右翼によって妨害され、中止になったということです。 「インターネット社会と女性の人権」がテーマで、8月10日に千代田区で行なう予定だったようです。しかし、右翼の妨害に屈した行政が「行政の公平性、中立性を確保するため」という理由で、2日に中止を決めてしまいました。何が公平なのか? 中止の理由を明らかにし、主催者側に謝罪すべきでしょう。
 アジア特派員時代(1981年から85年)の3年半に訪ねた国が18ヵ国。彼女のアジアにこだわる原点が培われた時期でもある。アジア女性資料センター代表、NG0活動、国際会議のコーディネーターと、活動は幅広い。そして、今回のテロ事件にも、いち早く対応し行動したのは彼女たちだろうと、察しがつく。沈黙は犯罪と、講演を締め括った彼女の言葉に、私を含め多くの参加者は、きっと何らかの声を上げることの意義を、教わったに違いない。さあ、出来ることから始めよう。 
(ワーカーズ・ネット 恵)



米ロなどの諸大国は自国本位のアフガン介入をやめろ!
 アフガンの民衆への世界の労働者の支援と連帯を!


■ソ連の侵略と内戦の20年

 米英は「テロとの闘い」を錦の御旗にアフガンに爆弾とミサイルの雨を降らせています。アメリカは特殊部隊も投入し、地上戦も開始されています。ロシアもまた北部同盟へのテコ入れを強めて反タリバン戦争に参加しています。同時多発テロがビンラディンらの仕業かどうかは未だに定かではありません。しかし仮にそうだったしても、その原因をつくったのは、「テロ撲滅」を叫ぶアメリカやロシアなど大国自身です。
 旧ソ連は1979年に「人民民主主義」政権を防衛するためとしてアフガンに侵攻しました。これに対しアフガンゲリラが決起して対ソ戦を開始、当時ソ連と冷戦を戦っていたアメリカはアフガンゲリラ=ムジャヒディンに武器や資金を供給しました。
 ソ連の侵攻はアフガン革命の擁護という体裁をとっていました。しかし実際には、アフガンがアメリカや中国に接近するのを防ぎ、引き続き自らのコントロールの利く属国としてとどめおくための侵略戦争に他なりませんでした。ソ連は、79年にアフガンに軍事介入した後も、自らの都合に合わせて大統領をアミンからカルマルに取り替えたり、戦場に枯葉剤を撒いたりおびたたしい数の地雷を埋めたり、国家資本主義の大国として帝国主義的行動をほしいままにしました。
 対するアメリカの介入も、平素の「人権」だ「民主主義」だという言葉もどこへやら、ソ連・ロシアの影響力を後退させるためには平気で保守的・反動的なムジャヒディンを支援するという、自国本位のご都合主義の行動でした。アメリカの介入には、「ホメイニ革命」以降アメリカへの敵対姿勢を強めるイランを牽制するという動機もありました。
 89年にソ連軍は撤退、ソ連の傀儡ナジブラ政権が樹立されましたが、これも92年にムジャヒディンによって崩壊させれられ、各ゲリラ勢力の連合による暫定政権ができました。しかしこのゲリラ連合政権も、各ゲリラ勢力の支配グループ間の利害対立、部族的・民族的反目を克服することができず、直ちに内部対立を表面化させました。各勢力は対ソ戦の中でアメリカなど大国や周辺諸国が供給した武器を今度は相互に向け合うようになり、対立する勢力を襲撃し、殺戮し、略奪する激しい内戦に突入しました。
 この内戦に最後に登場してきたのがタリバンであり、この新興勢力の後ろにはアメリカを始め、パキスタンやサウジアラビアがついていました。パキスタンは東側でインドとの間にカシミール紛争を抱えており、西側の国境を親パキスタン国家の登場で安定させる必要がありました。ワッハーブ派イスラムを国教とするサウジアラビアは、イスラム陣営内の仇敵シーア派のイランを封じ込めようと、その機をうかがっていました。タリバンは、こうした諸国に強力に支援されて反タリバンの諸ゲリラ勢力=北部同盟を潰走させ、たちまち国土の90%を支配、独特のイスラム解釈に基づく反動的・強権的支配、恐怖政治を実行しました。しかしタリバンも北部同盟を完全に壊滅させることはできず、アフガン北部を舞台に両者の間で激しい内戦が続きました。

■資源をめぐる諸大国の思惑

 ソ連のアフガン侵攻、それに続くアメリカの介入等々の一連の事態は、アフガンの経済と社会を破壊し、荒廃させ、部族対立や民族対立をかつてなく激化させました。今日のアフガンの悲惨な姿、破壊された街並み、荒涼とした大地、各ゲリラ勢力間の「民族浄化」戦による大量の犠牲者、数百万にものぼる死地をさまよう難民の出現等々に、ソ連・ロシアやアメリカ、そしてパキスタンやサウジなど周辺諸国が、大きな責任を負っているのは明らかです。
 大国と周辺諸国のこうしたアフガン介入の背後にあるのは、150年前、100年前のイギリスやロシアのアフガン介入と同様、この地域での利権と覇権の追求です。かつては主にこの地域が持つ、西のヨーロッパと東のアジア、北の内陸部と南の開港地とを結ぶ通商路の要としての重要性が介入を誘いました。今日ではそれに加えて、カザフスタンやトルクメニスタンの地下に眠る石油・天然ガス資源とその輸送ルートの支配への渇望(アメリカやロシア、そして中国も)、イスラム急進主義の浸透をうち砕く必要(ロシアや中国や中央アジア諸国など)等々が大きな比重を占めるようになっています。とりわけソ連・ロシアとアメリカの支配階級の石油・天然ガス利権への支配欲が決定的な役割を演じています。

■ポストタリバン構想は諸大国の利害の談合的調整

 アメリカやロシアなどの支配階級は、あつかましくもすでにタリバン打倒後のアフガン政権構想を語りはじめています。各民族勢力・ゲリラ勢力のバランスを配慮した新政権の樹立、国連の暫定統治の実施などが取りざたされてもいます。
 民族バランス、国連統治、いかにも聞こえのよい話しです。
 しかし民族バランスなどという言葉が実際に意味しているのは、それぞれの民族勢力と結びつきを持った大国や周辺諸国の自国本位の露骨な利益追求の別名に他なりません。
 ロシアはウズベク人のドスタム派やラバニ派、アメリカやパキスタンはパシュトゥン人のヘクマチアル派からタリバンへ、イランは同じイスラム教シーア派のイスマイル・ハンやハザラ人の勢力へ、インドや中国も反パキスタン、反イスラム原理主義の立場からの北部同盟支援等々、大国や周辺諸国の支配階級は自らの利害に沿ってそれぞれの勢力にテコ入れしています。こうした諸国が唱える民族バランス論なるものは、直接にはそうした諸国の支配階級のエゴイスティックな諸利害の談合的調整以上ではないのです。
 アメリカやロシアなどはタリバンや北部同盟に対して自民族中心主義を抑制するよう説教をするのですが、しかし他でもないそのアメリカやロシアの支配階級自身が自国本位のエゴイスティックな行動をとっています。タリバンや北部同盟などの狭量な民族主義や部族主義は、アメリカやロシアやサウジやパキスタンやイランなどの自国本位の行動に助長されてきたのであり、かなりな程度その似姿、写し絵でもあるのです。
 もちろん民族バランスへの配慮は、ある意味では特定民族や特定部族による権力独占よりはましだと言えます。北部同盟やタリバンがアフガンの経済と社会の運営を放棄し、統治能力の欠如を決定的に暴露している以上、大国や周辺諸国の監視下の政権、国連による暫定統治などを求める声が高まるのは避けられません。しかしそれだけではアフガンに安定と平和がもたらされることはあり得ず、そればかりか逆に新たな反目や対立や紛争の温床となる可能性が大です。
 すでにその兆候が見えています。アメリカとロシアばかりか、アフガン戦争が始まるまではアメリカから「テロ国家」と呼ばれ敵視されていたイランまでも含めた「反タリバン」連合が、現在勢いを得ています。しかしその一方でパキスタン支配階級は、西側の親パキスタン政権を失う可能性に危機意識を高めています。アラブのイスラム諸国家やイラクも、米・ロとシーア派のイランの急接近に警戒心を強めています。タリバン政権が倒れ、当面の敵が去った後にも、米・ロやイランが果たしてどこまで協調を維持できるか、まったく保障の限りではありません。加えて中国による中央アジアの石油・ガス資源への思惑も今後強まっていくに違いありません。そしてこのたびの戦争は、世界のイスラム急進主義勢力の中に、アメリカなどの諸大国への強い反感と恨みを新たに付け加えました。
 今度の戦争、あるいはアメリカでのテロ事件は、こうした諸大国や周辺諸国による中央アジア・アフガンを舞台とする利権争奪戦の再開を告げる号砲となったのかもしれません。ポスト・タリバンの政権構想は、こうした諸国の利害をめぐる駆け引きや対立が、イスラム急進主義勢力の活動も織り交ぜつつさらに強まっていく舞台になろうとしています。

■アフガン民衆への労働者・民衆の国際的な支援を

 79年以降の対ソ戦と内戦は、爆撃や砲撃による都市のインフラの大規模な破壊、枯葉剤散布や地雷敷設による農村の荒廃と農民たちの営農離脱、大量の人命の喪失等々をもたらしました。その上に今度の戦争が、アフガンの国土にさらなるダメージを与えようとしています。
 もちろんアフガンの荒廃は、ソ連・ロシアやアメリカなどのせいにして済ませる問題ではありません。アフガンの各ゲリラ勢力、北部同盟やタリバンもまた、この惨状に大きな責任を負っています。
 こうしたゲリラ勢力やタリバンは、アフガンの平和や安定や復興に向けてのどんな明確な計画も明らかにすることができませんでした。彼らは、農業や牧畜やそれと結びついた工業建設に力を入れる努力をするでもなく、中世の中央アジアの部族集団・部族連合さながらに、物資の輸送業者からの税の取り立て、他部族・他民族の襲撃を通しての富の略奪等々を主な「経済活動」としてきたのです。
 彼らにアフガニスタンの民衆の解放を期待することができないのは、アメリカやロシアにそれができないのと同様です。本紙4頁でも紹介しているように、アフガンの勤労者や女性たちの中には、アメリカやロシアなどの大国の干渉、そして北部同盟やタリバンなどの反動的で無能力な支配勢力を批判し、民衆の解放をめざした困難な活動をおし進めている人々もいます。こうした人々のねばり強い闘いの中に、アフガンの未来はおそらくは存在しているのでしょう。 
 日本の労働者・市民に求められているのは、まず何よりもアフガンの惨状に拍車をかけ、民衆の闘いを困難にしている米英の戦争をやめさせること、そして日本の戦争参加の策動と闘うことです。
 それと同時に米英や周辺諸国のポストタリバンをめぐる駆け引きや策動に対して、アフガンの民衆の声や要求を無視するなと、声をあげていく必要があります。民族バランス政権や国連暫定統治のもとで繰り広げられるであろう大国や周辺諸国や北部同盟やタリバンなど各民族勢力の支配層による覇権の追求やエゴイスティックな利益追求の策動に対し、アフガン民衆の側にたって国際的な圧力をかけていかなければなりません。
 国境を越えた労働者・民衆の闘いは、IMFや世界銀行やサミットや国連の諸会議等々に対する国際的に連携した巨大な抗議行動、対抗会議の組織化を見るまでもなく、いま大きく発展しつつあります。こうした闘いの中でも、アフガン民衆の声と要求を採り上げ、それを世界の支配階級に突きつけていく必要があります。
 アフガン戦争の終結、アフガンの安定と平和と復興、アフガン民衆の解放をめざして、労働者の支援と連帯を組織していきましょう。
(ワーカーズ・ネット 阿部治正)


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アフガニスタン労働者革命連盟のアディル氏は語る
  ――パキスタン労働党員によるインタビュー

●タリバンはすべての支持を失っており、まもなく権力を失うだろう。
●オサマは少なくとも2万5千人の戦士を擁している。
●左翼と右翼が一致してザヒル・シャー前国王を擁立しようとしている。
●金を持っている人は全員パキスタンへ逃れつつある。


 アディルはアフガニスタンで活動している小さな左派組織のリーダーである。彼自身は亡命地にいる。彼は9月16-19日にジララバードに滞在し、現地の雰囲気を観察し、党員たちと将来の戦略について話し合った。アフガニスタンへの入国は非合法だった。以下は9月24日にパキスタンのラホールで行われたインタビューの報告である。

 「私は9月16日にアフガニスタンに入り、ジララバードに到着した。この町は完全なショック状態だった。すべての人が、すぐにでもアフガニスタンを逃げ出したいと話していた。ペシャワールまで行くには20万アフガニ(2ドル)かかる。そこから国境を越えるためには、パキスタンの役人に5ドルの賄賂を払わなければならない。だから、それだけの金を持っている人は全員、逃げ出そうとしている。ちなみに、現在アフガニスタンの公務員の平均賃金は月30万アフガニである。ジララバードの日雇い労働者の賃金は1日1-2万アフガニである。アフガニスタン全国で、ひどい貧困が広がっている。賃金の遅配は日常化しており、半年間支払われていないこともある。人々はタリバン政権に飽き飽きしている。そういうことを公然とは言えないが、今ではタリバン政権が逃げ出すだろうと確信している。ジララバードではほとんどの店や貿易会社は閉まっている。誰も市内で仕事をしようとはしない。まるで廃墟の町だ。」

■タリバンの軍事力について

 「タリバンが動員できる兵士の数は約2万人である。彼らは最良の友人であったパキスタンを失い、パキスタンからの軍事支援が難しくなっている。これに対して、オサマは2万5千人の兵士を擁している。彼らはパキスタン以外にも、中国、アルジェリア、ナイジェリアや、他のアラブ諸国から来ている。タリバンがオサマを米国に引き渡さないと言っているのは、彼らに勇気があるからでも、イスラムへの忠誠からでもなく、引き渡すことができないからだ。オサマはタリバンよりも多くのイスラム戦士を擁している。」

■タリバンへの支持について

 「彼らは完全に支持を失っている。ジララバードで私が話した人たちは、タリバンに反対していると公言した。彼らを支持しているのはタリブ(学生活動家)たちだけだ。ほかにはアフガニスタンで彼らを支持する者はいない。彼らはアフガニスタンの歴史で最も不人気な政権だ。米国が来れば彼らは権力を失うだろうが、それは攻撃のためではなく、彼らが社会的基盤を持っていないからだ。これはソ連がアフガニスタンにやってきた時とは違う。アフガニスタンにソ連に反対する人々がたくさんいた。米国とパキスタンもソ連に反対していた。しかし、現在の状況は全く違う。タリバンは長期にわたって米国と戦うことはできない。彼らは長期にわたって隠れていることはできない。彼らは権力を失うだろう。タリバンはこれまででもっともタチの悪い、残忍な政権である。われわれは最初から彼らに反対していた。しかし米国とパキスタンが最初から彼らを支持していたのだ。彼らは今、タリバン政権は悪だと言っているが、われわれは最初からそう言っていた。」

■タリバン内の3つの傾向

 「タリバン政権の中には3つの傾向がある。1つはもっとも徹底した原理主義者で、オサマを米国に引き渡すことに全面的に反対している。1つの大きいグループはオサマを米国に引き渡すべきだと言っている。3番目のグループはこの2つのグループのバランスを取っている。オサマは自主的に出国するべきだという決定には、この3番目のグループの影響が最も強く働いていた。問題は3つのグループがいずれもオサマの軍よりも小さいということだ。タリバンではなくオサマがアフガニスタンの実質的な支配者である。」

■北部同盟について

 「北部同盟は雑多な勢力からなっている。イスラム教民族運動を率いているアブドゥル・ラシド・ドスタムは、カルマルやナジブラ(ソ連に支持されていた政権の大統領)の親密な同盟者だった。彼は原理主義者ではなく。アフガニスタンのウズベクおよびトルクメン人を代表している、シアフ教授が率いるアフガニスタン・イスラム教統一運動は、北部同盟の中でももっとも原理主義の傾向が強いグループである。このほかにアーメド・シャー・マスードのイスラム協会がある。9月11日の事件を起こしたのと同じグループが9月9日にマスードを殺害した。マスードが殺されたのは、オサマが彼を9月11日以降に抵抗闘争を指導できる唯一の人物だと考えていたためだ。彼はすでに多くの西側の政権から支持されていた。彼は原理主義者だったが、最近、右翼思想に転換した。ヒズブ・ワフダット・イスラムも北部同盟に参加している。北部同盟はタリバンを攻撃する準備を整えている。9月11日の後に、マザール・シャリフで戦闘があった。タリバンの兵士80人が死亡し、200人が捕虜になった。戦闘はまだ続いており、まもなくタリバンがマザール・シャリフを失うかも知れない。ドスタム元将軍がすでに西側の一定の支持を得ており、前面に登場しつつある。」

■ザヒル・シャー元国王について

 「彼は89歳になるが、アフガニスタンでタリバンを除く全政党の支持を得ているようだ。少なくともペシャワールでは、いたる所に彼の政党の旗が見られる。それは黒と赤と緑の旗だ。われわれの党は現時点では、過渡期として彼を支持している。米国のプランは、タリバン政権の崩壊後、彼に権力を渡し、彼が1年後に選挙を実施するというものだ。しかし、彼が人々の問題を解決できないのは明らかだ。ペルシャの格言によると、悪いやつが政権を握っているが、そこからいいことも起こるとすれば、それほど悪くない。われわれは過渡期として彼を支持する以外に選択はない。」

■米国の軍事介入

 「われわれは米国の軍事介入には全面的に反対だ。しかし、われわれはタリバン政権がただちに終わることを歓迎する。現在の状況をたとえて言えば、米国が育てた犬が手におえなくなったということだ。この犬をしつけるか殺すのは米国の責任だ。われわれは、われわれのやり方で、アフガンの人々にとって危険きわまるこの犬を始末する。米国とパキスタンは、アフガニスタンの安定化を期待して間接的あるいは直接的にタリバンを支持してきたが、事態は彼らの手におえなくなったのである」。

■シェルター・インターナショナルについて

 「このNGOは300万人以上のアフガンの人々にパンを提供してきた。タリバン政権は何の理由もなく彼らを逮捕した。食糧はどこかへ消えた。人々は苦しんでいる。これは人々の悲惨な状況を一層悪化させ、タリバン政権に対する憎しみをさらに募らせた。彼らはアフガニスタンにおけるNGOの活動を統制したいと考えていた。これは一般のアフガンの人々には評判が悪かった。」

 アディル氏によると、誰もがタリバン政権に飽き飽きしている。人々は戦争に飽き飽きしている。多くの人々が、この政権が終わるのを待っている。タリバンが長く政権にとどまっている可能性はないだろう。米国の戦略はザヒル・シャーを政権に就けることである。彼はすでに北部同盟や、左翼および右翼の政党の支持を得ている。私たちはアフガニスタンに戻る日を待っている。

タリバンはアフガン国民の蜂起によって打倒されるべき
 ――アフガニスタン革命的女性協会
 米国のアフガニスタン攻撃に対する声明

 再び原理主義者達、死刑執行人の叛乱によって、私たちの民衆が戦争と破滅という巨大な化け物の手中に陥った。

 アメリカは9月11日のテロに対する報復のためにオサマ・ビン・ラディンとその協力者であるタリバンへ対抗する国際的な同盟を作りつつ、私たちの国へ大規模な攻撃を行ってきた。 アメリカは攻撃対象をタリバン及びアルカイダの軍事目標、テロリスト基地に限定し、攻撃は精密かつ適切に行われている、と主張している。過去7日間、私たちはアメリカの攻撃を目撃して来た。その攻撃を見る限り、アメリカの主張に反して、この侵略(invason)によって私たちの国の膨大な数の女性達、子供達、そして年老いた人々の血が流されるであろうことはもはや疑いの余地が無い。
 アメリカとその同盟国は、アフガニスタンの民主主義の運命など気にもとめずに昨日までジハディ、オサマ・ビン・ラディン、そしてタリバンを養子として育てる政策を支え、今日は「北部同盟」の短剣に磨きをかける、という具合である。そしてこの政策により米国は私たちの民衆に対して、ジハディ(注1)の首長国≠フ時代におきた恐ろしい出来事を再度経験するのでは無いかという、大きな恐怖と不安を与えている。
 アフガン人はジハディ、タリバンといった強欲な面々の手で引き起こされた、とてつも無い災厄を忘れてはいないので、亡命中の国王の帰還に一縷の望みを繋いでいる。しかし国王が北部同盟といわゆるタリバン穏健派≠ノ依存するような状況で帰国すれば、人々の中の彼の名声を失うだけでは無く、かれが形作って来た全ての基本方針の成功と安定をも危険にさらすことになるだろう。

 タリバンはアフガン民衆と全ムスリムをアメリカに対する聖戦≠ヨと差し向けようとしているが、タリバンが中世風の支配をしているうちは、アフガン人、そして思慮深く、名誉あるムスリムは誰も、タリバンのこのようなナショナリスティックなジェスチャーに騙されないであろう。どのような個人、グループ、国家であれタリバンを支援するものたちはいかなる口実を持ち出そうとアフガン民衆の敵である。人々はまた、北部同盟の殺人者達が行っている反オサマ・ビン・ラディン、反テロリズム行動に対しても敵意を持っている。我々の民衆はナジブラ傀儡政権が崩壊した後にやってきた5年間を忘れることは無かった。それは抑制を知らぬテロの恐ろしい年月であった。同時に人々はジハディ自身がアブドラ・イザム とウサマ・ビン・ラディンの安っぽい手下であったことも忘れていない。

 今、北部同盟≠フグループは飢えた狼のように待ち構えて、米国の攻撃に便乗してカブールの攻撃・制圧を狙い、数年前と同様に野蛮な行為を伴う征服≠しようとしている。それは彼らが第二の首長国≠フ分け前にありつくためであり、結果としてそのような事態は人々の願い、安定し広く受け入れられるような民主的政府を求める人々の強い願いを挫くことになる。
 アメリカが攻撃を継続し、無実の市民の被害者数が増えることによって、タリバンは口実を手に入れるだけではなく、この地域の、さらには全世界の原理主義勢力を力付ける原因になるであろう。

 私たちの民衆には二つの選択肢がある。
 タリバン、アルカイダという疫病を共に根絶すること。(私たちの民衆はこうした疫病の発生や育成に関わっていないが。)そして民主的価値に基盤を置く政府を立ち上げること。
 もう一つの選択肢は、外部に依存し、略奪と犯罪を行う勢力、実態としては大半が不信心である国民への反逆者達の軍勢にアフガニスタン明け渡すことである。
 それゆえ、私たちの同胞は、タリバンとウサマ・ビン・ラディンの根絶を通じて立ち上がるにちがいない。傷付き、倦み、見捨てられてきたアフガン人は言葉だけでは無く実質的にも犯罪者達とは何のかかわりが無い。ひとにぎりのアラブ人、非アラブ人のテロリスト達を 名誉ある客人≠ネどとアフガン人はみなしてこなかったのである。そのことを世界は忘れるべきでは無い。

 全面的な叛乱によってのみ、この国へ以前降りかかった大災害を防ぐ事ができる。国連平和維持軍の存在があり、あるいはそれが無くても、この叛乱によって暫定政権と選挙準備への道を切り開くことができるのである。我々は外国の干渉、特に原理主義勢力からの干渉が一旦無くなれば、原理主義者達の陰謀にもかかわらず、あらゆる宗教からなる全民族がアフガニスタンの自由と誇り、という目的に向かって一致団結し、最も神聖な国民の利益を勝ち取ることであろう。アフガニスタン革命的女性協会(RAWA)は全ての原理主義に反対する人々、自由と民衆主義を愛する人々、女性の権利を守る人々、そして亡命中のアフガン国王に対して要望する。手後れにならない内に民衆の蜂起を組織し、内外のアフガニスタンの敵によってたてられている計画を阻止する自分達の役割を果たして欲しい。平和と正義を愛する世界の人々はアフガニスタンの民衆の側に味方するだろう。

2001年10月11日

 当声明は既にアフガニスタン国内でパシュトン語版とペルシャ語版で広く配付されている
(注1)ジハディ:92年から96年までカブールを掌握していたムジャヒディン・ゲリラ
各党派の総称。マスード派もジハディのひとつ。現在は反タリバンとして北部連合を結成し内戦中。


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チャルマーズ・ジョンソン氏の小泉純一郎論を論評する

 まず、ジョンソン氏の小泉純一郎首相論を引用してから、論評していこう。

小泉首相はブッシュの召使いか

 私は、米国に対するブローバック=吹き返しが二十一世紀における世界的な潮流になると予測している。なぜならこのテロは、米国が推し進めてきた帝国主義的な政策に対して当然起こるブローバック、すなわち報復だから。米国自身が、これまでの政策を改めない限り、報復はまだ果てしなく続くだろう。軍事力で押さえつけられるという性質のものではない。にもかかわらず、日本の小泉首相はさっそくワシントンに飛んできて、自衛隊による後方支援を約束した。これには私も驚き、失望している。
 ブッシュ大統領に対する小泉首相の振る舞いは、まるで召使いか奴隷のようだ。小泉首相を見て、私は中国の作家・魯迅が書いた『阿Q正伝』の主人公・阿Qを思い出した。ひたすら主人におべっかを使う阿Qと、ブッシュを喜ばすために振る舞う小泉は、どこに違いがあるのか。

ブッシュは馬鹿げた愛国者

 ブッシュは、まるでジョン・ウェインが演じたテキサス・カウボーイのように単純な男だ。過去に前例のない馬鹿げた愛国者といってもいい。
 父親のブッシュ元大統領は、フォード時代のCIA長官だった。私はCIAのコンサルタントを努めていたから、冷戦時代、敵を殺し政権を転覆させるために、CIAがいかに暗躍し、どれほど米国民の税金を大量に使ってきたのかよく知っている。現在のは「父親ブッシュのCIA」と呼ばれるほど、ブッシュ元大統領の影響力が強い。そのCIAは、今回のテロでさらに権限が強化された。
 息子のブッシュの取り巻きにも、軍産複合体の利益を代表するラムズフェルド国防長官など、危険な人物がたくさんいる。こうした環境のなかで、単純で馬鹿げた愛国者のブッシュは、ひたすら彼の愛国主義を世界に押し付けようとしている。
 京都会議で行われた地球環境を守るための議決を、ブッシュは拒否した。南アフリカでの世界人種差別撤廃会議にも欠席した。米国が過去に奴隷制度をもっていたにもかかわらずだ。これらは米穀の傲慢さを物語るエビソートだ。
 そんなブッシュのもとに、召使いのように通っているのが、日本の小泉だ。

日本の指導者は「恥知らずの凡人たち」

 フランスの政治評論家レイモン・アーロンは、スターリン時代、モスクワに忠誠を誓い、モスクワ詣でを欠かさなかった東欧諸国の傀儡政権指導者のことを「恥知らずの凡人たち」と表現した。田中角栄から現在の小泉に至る日本の指導者は、東欧の指導者同様、すべてこの「恥知らずの凡人たち」だと、私は言いたい。
 小泉は、日本国内では高い支持率を得ているが、諸外国では日に日に信頼を失いつつあることに気づいていない。彼は、自分が言いたいことより、相手が聞きたいだろうという言葉をリップサービスしているにすぎない。
 だから就任直後、キャンプ・ディビットでブッシュと会ったときも、京都議定書の問題で議長国日本の意見を主張するでもなく、ただブッシュの意見を十分聞いて、「反対する西欧諸国に伝える」と言った。そのくせ、その足でヨーロッパに行き、フランスのシラク大統領やイギリスのブレア首相と会ったときには、「よくわかった。ブッシュに伝える」と答えて帰ってきた。
 このように行く先々で相手が喜ぶことをしゃべるだけでは、外交とは言えない。発言が一貫していないからバカにされるだけでなく、信頼されることがないのだ。

小泉はただのクレバーな役者で、ペンタゴンにとって日本は無邪気でお人好しな上客

 現在まで、小泉は日本のために何をしてきたのか。やったのはパフォーマンスだけだ。大相撲の表彰式では「感動した」などといって観客を喜ばせ、靖国神社問題でもお芝居をし、今回の同時多発テロでもうまく立ち回ってブッシュと堅い握手をし、片言の英語で記者会見に応じた。
 ファッションも歴代首相よりはるかにあか抜けているし、離婚歴があるというのもユニークだ。けれども、これらは、別に首相の仕事とは関係ない。小泉のパフォーマンスは、日本国内でなら通じるかもしれないが、世界では通用しない。彼は「政治」ではなく、「お芝居」をしているだけの、ただのクレバーな役者としか、私には見えないのだ。小泉は、さかんにブッシュとの良好な関係をアピールしているが、単純なブッシュですら、小泉の動きには懐疑的だ。
 もちろん例外はいる。アーミテージ米国務副長官やウォルフォビッツ米国防副長官といった扇動家は、日本が軍事的にさらに力を持ってほしいと望んでいる。もちろん、米国に刃向かうほどの軍事力ではない。あくまで、米国の衛星国として闘える程度の軍事力をもってほしいと望んでいるのだ。
 彼らだけではない。米国はいま、日本に再軍備をしてほしいと願っており、新ガイドラインで日本に米国製の軍事製品を買えと圧力をかけている。世界一の武器セールスマンであるペンタゴンにとって、日本ほど無邪気でお人好しな上客はない。駐日米国大使館はペンタゴンによる武器輸出活動の拠点であり、歴代大使は、武器輸出オフィスの責任者という色合いのものなのだ。

ブッシュ政権は日本の軍事的支援など要求もしていないし、必要ともしていない

 けれども日本は、これ以上の軍事力増強はまったく必要ではない。憲法改正も論外だ。私は、小泉がブッシュと会って自衛隊による後方支援の約束をしたとき、非常に驚いた。 後方支援発言は時と場所をわきまえない内容であり、役に立たないことを、小泉はわかっていない。
 彼は、日本国民の目から何かを隠すために、あえて後方支援発言をした疑いもある。なぜなら、米政府もブッシュ政権も、実際のところは日本の軍事的支援など要求もしていないし、必要ともしていないからだ。
 あるいは小泉は、湾岸戦争のときに日本が、130億ドルもの支援をしたのにもかかわらず、多国籍軍から感謝もされなかったという苦い過去を思い出し、ここで日本が何かしないと世界の中で孤立するという危機感を覚えて、アメリカが要求する前に、自分から後方支援を言い出したのかもしれない。
 いずれにせよ、小泉は自ら進んでブッシュ政権の奴隷になり、日本全土を「第二の沖縄」のように植民地にしようとしているのだ。
 日本が、また小泉が、なぜ米国に対して、こんなに媚びへつらうのか、私には理解ができない。日本には、外交上の長期的な展望といったものが感じられない。先にも言ったとおり、米国がいま、日本に対して切実に望んでいることは、自衛隊の派遣でも後方支援でもない。日本が、そして小泉が、即刻やらねばならないのは、構造改革であり、それこそが米国の切望していることなのである。そして、このことこそが、小泉首相が日本国民に隠したいことなのではないだろうか。

 以上は、『週刊現代』十月二十日号を再編集したものである。

●チャールマーズ・ジョンソン氏によって語られた米国の対日認識について

 彼の発言の率直さから正しく判断できるように、米国は、日本を表面では同盟国と言いながらも、衛星国と考えている。今回問題にもなった「ショー・ザ・フラッグ」もこうした立場からのもので、小泉・外務省が慌て、また自衛隊幹部が勢いづいたのも、日本には外交上の長期的な展望、言い換えれば国家戦略がない事が原因ではなかったろうか。日本の思惑とは別に米国にとっては、小泉の強弁する日本の「非軍事支援」などは足手まといの迷惑なことであろう。米国の認識は明確なのだ。一般米国民もまた同様の認識である。
 例えば、千四百円程度で買える米国の民衆的な辞書であるランダムハウスのウエブスターには、「japan',n.1.a constitutional monarchy on a chain of islands off the E coast of Asia」とある。翻訳すれば、日本とは、アジア大陸の西岸から離れている諸列島に存在している立憲君主制国家であるというものだ。何たる定義であろうか。彼らは天皇を保護したとの自覚があり、ここには、日本国民ですら自覚のない実態が明確に規定されているのだ。
 小泉政権に対するチャールマーズ・ジョンソン氏の認識も実に辛辣である。しかし、この認識は真実だ。テロ対策特別措置法提案の信じられないほどのいい加減な答弁を見聞きしていると彼には一国の総理大臣としての資質があるのかとの疑問を持たざるを得ない。しかし、この事の追及は別稿に譲ることにする。
 その他の問題の中で最大のものは、彼が、一枚看板の構造改革の成果をほとんど上げておらず、特殊法人改革も官僚の抵抗の中でお茶を濁すほどのことしかできていないということである。この看板こそ、小泉に対する高支持率の最大の根拠であるというのに。
 そもそも、小泉が、「国債の発行を三十兆円に抑える」というセリフも、実際のところは、米国に対する国際密約なのである。この事実すら知らないのが日本国民自身なのだ。 この証言を知っているだろうか。

 橋本龍太郎 本年度(一九九九年)予算が成立した瞬間に、今年も入れての五年間、毎年ほぼ三十兆円ずつ赤字国債が増発されることが決まったわけです。私は、将来の返済というものを考えると財政構造改革が要ると思っていたのですが、これは大変評判が悪かった。そしてそのうえでノーという審判が下されたのです。これから五年間、毎年三十兆円ずつの赤字を国民は選択したわけです(『Voice』誌 「『財政改革』は評判が悪かった」一九九九年一一月号)。

 この証言の中に、小泉首相の打ち出している方針の他律ぶりが、よく暴露されている。したがって私たちが小泉に何の期待もできないことは、はっきりしているのである。
 今、日本資本主義が陥っている一切の困難を、私たち労働者を犠牲にすることで克服していこうと、小泉ら支配者が策動している。私たちは自らの生活防衛のために、大量解雇・労働条件の切り下げに断固反対していかなければならない。また現下の情勢では、米国に対するテロにも米国の報復戦争にも反対していくとともに、小泉がごり押ししようとしている自衛隊の海外派兵を、労働者民衆の力を結集して阻止していくことである。その意味では、戦後政治の大転換である。アフガンの民衆や全世界の労働者民衆の反戦闘争と連帯していくことで、この転換を阻止していこうではないか。
 こうした闘いとともに、私たちは、自分たちの生産点・労働現場において、労働者の資本に対する規制力を奪還するという戦略目標を明確にすることで、労働する自由で自立した諸個人の連合社会をめざして闘っていかなければならないのである。
 ともに闘っていこう!
   (ワーカーズ N)


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噛み合わない問題意識  ――不可解なN氏の論述

 谷沢永一氏の著書の論評をめぐって、その引用のあり方と創氏改名の評価に対する私の疑問に、本紙前号でN氏が答えている。そこでN氏から私に対して3点にわたる質問が出されたので、そうした点も含めて再度N氏の連載について述べたい。
 まず、連載の6を読んでN氏の博覧強記ぶりに、頭が下がるばかりだ。創氏改名についてかくも文献を極めているなら、谷沢氏の放言を引用して誤解を招く前に、自らの問題意識から論文を書くべきだった。そうすれば、N氏の問題意識もストレートに理解されただろうし、私もよけいな文章を書かずに済んだだろう。
 N氏はまた、谷沢氏の引用には3分類あるが、支持できるものもできないものも交ぜて引用したと言う。それでつまらない引用もたくさんあったのだと納得したものの、こうした記述は読者に混乱をもたらすだけだ。パンフレットなどでまとまった論文として掲載し、その意図も明らかにしておけば、あるいは問題なかったと思うのだが。月に2回しか発行されない新聞の連載では、やはり無理があると言わざるを得ない。
 本題に入って、N氏は創氏改名は朝鮮と台湾では違った形になったがなぜか、朝鮮王族には創氏改名はなかった、創氏改名しないで中将になった例があるがなぜか、と私に問うている。しかし、何故そんなことを私が答えなければならないのか理解に苦しむが、とりあえず思いつくままの回答を示そう。
 まず、台湾での創氏改名の実態についてだが、私はそんなことは全く知らなかったので答えようがない。そもそも、谷沢氏の引用も私の指摘も朝鮮における創氏改名を問題にしている。何故それが問題になるのかというと、在日朝鮮人の帰化等を巡って今も創氏改名 (日本的氏名の使用)が問題とされているし、日常生活での「通名」使用という問題もあるからだ。
 この点で、N氏は紀元7世紀の「漢姓」取得の経験を持ち出しているが、それが韓国で一切問題になっていないのは、歴史過程のなかで記憶が消滅したからではないだろうか。在日朝鮮人の帰化へのこだわりは、今も創氏改名(その記憶)が過去のものとなっていないことを示しているし、私の問題意識もそこにある。
 だから、朝鮮王族の例や特殊な人物についての例には、研究課題としては有り得るだろうが、私自身はさして興味はない。N氏からすれば、それは「左翼公式主義」ということになるのかもしれないが、その批判と研究はN氏に任せるしかないだろう。私にとって問題なのは、創氏改名が朝鮮人庶民にどのような苦しみを与え、それが今もどのように影響を残しているかだ。
 なるほど、朝鮮と台湾では何故違ったのかというのは、一部特権層やエリートの問題ではないので、全くどうでも良いとは言えないだろう。もしかすると、植民地支配の仕方の違いなどがあるのかもしれない。
 差し当たって考えられることは戦略的な位置の違い、方や小さな島であり、もう一方は大陸へとつながる位置にある。「新しい歴史教科書」もこの点について次のように述べ、日本の安全保障における朝鮮半島の重要性を強調している。朝鮮を完全に支配するだけではなく、朝鮮人を戦争に動員することが、大日本帝国にとって欠くことのできないものだったと言えよう。
 「東アジアの地図を見てみよう。日本はユーラシア大陸から少し離れ、海に浮かぶ島国である。この日本に向けて、大陸から一本の腕のように朝鮮半島が突き出ている。当時、朝鮮半島が日本に敵対的な大国の支配下に入れば、日本を攻撃する格好の基地となり、後背地を持たない島国は、自国の防衛が困難となると考えられていた」(216ページ)
 しかし、こうした指摘は植民地支配の位置付けの違いは示せても、それで創氏改名についての疑問に答えるものではない。文献探究の能力も時間もない私にはその謎を解くことは出来ないので、N氏のいっそうの研鑽に期待するしかないように思われる。
  (ワーカーズ・ネット   折口晴夫)


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神坂さん裁判官任官拒否 国家賠償請求訴訟
   ――第2回口頭弁論の報告


被告(国)はほとんど主張せず

 一審判決は、ようするに原告神坂直樹さんのよううな活動をしている者(箕面忠魂碑訴訟の原告補助参加人・元号を使わず西暦を使う・検察取り調べ修習を拒否)は、裁判官になったら、形式的な「公正らしさ」を損なう、と言っているのです。
 しかし、この「公正らしさ」論について、今まで国は一切主張してこなかったし、現在に至るまで主張していません。
 さて、10月24日午後2時、大阪高裁202号法廷において、任官拒否国賠訴訟控訴審の口頭弁論がありました。
 今回は、原告である神坂さん側より、国に求釈明をしました。
 まず、岩本弁護士。
 「被控訴人(国)は、肝心なところについて解答していない。控訴人(神坂)が、なぜ裁判官として的確性に欠けるのか? 『公正らしさ』を害さないかどうか? 司法制度改革審議会では、判事補の採用基準について『公正らしさ』は取り上げていない」
 「控訴人が、判事補に採用されなかった理由について被控訴人(国)は、公務上の秘密だから言えないと言うが、この根拠は?」
 「控訴人が、司法修習生時代に西暦を使用したこと、検察取り調べ修習を拒否したこと、これらが裁判官の資質に問題があると考えるか」
 続いて下川弁護士。
 「被控訴人は、我々の求釈明に回答してほしい」
 さらに、神坂さん。
 「『公正らしさ』論について、被控訴人が主張しないなら、本件の審判から除外すべき」
 岩本弁護士。
 「被控訴人は、神坂任官拒否の理由を主張していない。常識の裁判をしよう」
 神坂さん。
 「被控訴人の見解を問う」
 これら控訴人の求釈明について国は、「検討する」と答えたのみでした。裁判長より、12月10日までに書面で回答するようにとの指示がありました。
 今までの裁判の様子は、一審から神坂さんが、「任官拒否は不当だ。任官拒否の理由を明らかにせよ」と当然の主張をしてきました。これらに対し国は、「任官拒否の理由は公務上の秘密で言えない」などとふざけたことを言っています。
 腐りきった司法に風穴をあけるためにも、神坂さんには裁判官になってほしいと思います。
 次回口頭弁論は、来年の1月17日、午後2時からです。多くの皆さんの傍聴を、よろしくお願いします。
  (ワーカーズ・ネット  河野)

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