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アフガニスタン労働者革命連盟のアディル氏は語る
――パキスタン労働党員によるインタビュー
●タリバンはすべての支持を失っており、まもなく権力を失うだろう。
●オサマは少なくとも2万5千人の戦士を擁している。
●左翼と右翼が一致してザヒル・シャー前国王を擁立しようとしている。
●金を持っている人は全員パキスタンへ逃れつつある。
アディルはアフガニスタンで活動している小さな左派組織のリーダーである。彼自身は亡命地にいる。彼は9月16-19日にジララバードに滞在し、現地の雰囲気を観察し、党員たちと将来の戦略について話し合った。アフガニスタンへの入国は非合法だった。以下は9月24日にパキスタンのラホールで行われたインタビューの報告である。
「私は9月16日にアフガニスタンに入り、ジララバードに到着した。この町は完全なショック状態だった。すべての人が、すぐにでもアフガニスタンを逃げ出したいと話していた。ペシャワールまで行くには20万アフガニ(2ドル)かかる。そこから国境を越えるためには、パキスタンの役人に5ドルの賄賂を払わなければならない。だから、それだけの金を持っている人は全員、逃げ出そうとしている。ちなみに、現在アフガニスタンの公務員の平均賃金は月30万アフガニである。ジララバードの日雇い労働者の賃金は1日1-2万アフガニである。アフガニスタン全国で、ひどい貧困が広がっている。賃金の遅配は日常化しており、半年間支払われていないこともある。人々はタリバン政権に飽き飽きしている。そういうことを公然とは言えないが、今ではタリバン政権が逃げ出すだろうと確信している。ジララバードではほとんどの店や貿易会社は閉まっている。誰も市内で仕事をしようとはしない。まるで廃墟の町だ。」
■タリバンの軍事力について
「タリバンが動員できる兵士の数は約2万人である。彼らは最良の友人であったパキスタンを失い、パキスタンからの軍事支援が難しくなっている。これに対して、オサマは2万5千人の兵士を擁している。彼らはパキスタン以外にも、中国、アルジェリア、ナイジェリアや、他のアラブ諸国から来ている。タリバンがオサマを米国に引き渡さないと言っているのは、彼らに勇気があるからでも、イスラムへの忠誠からでもなく、引き渡すことができないからだ。オサマはタリバンよりも多くのイスラム戦士を擁している。」
■タリバンへの支持について
「彼らは完全に支持を失っている。ジララバードで私が話した人たちは、タリバンに反対していると公言した。彼らを支持しているのはタリブ(学生活動家)たちだけだ。ほかにはアフガニスタンで彼らを支持する者はいない。彼らはアフガニスタンの歴史で最も不人気な政権だ。米国が来れば彼らは権力を失うだろうが、それは攻撃のためではなく、彼らが社会的基盤を持っていないからだ。これはソ連がアフガニスタンにやってきた時とは違う。アフガニスタンにソ連に反対する人々がたくさんいた。米国とパキスタンもソ連に反対していた。しかし、現在の状況は全く違う。タリバンは長期にわたって米国と戦うことはできない。彼らは長期にわたって隠れていることはできない。彼らは権力を失うだろう。タリバンはこれまででもっともタチの悪い、残忍な政権である。われわれは最初から彼らに反対していた。しかし米国とパキスタンが最初から彼らを支持していたのだ。彼らは今、タリバン政権は悪だと言っているが、われわれは最初からそう言っていた。」
■タリバン内の3つの傾向
「タリバン政権の中には3つの傾向がある。1つはもっとも徹底した原理主義者で、オサマを米国に引き渡すことに全面的に反対している。1つの大きいグループはオサマを米国に引き渡すべきだと言っている。3番目のグループはこの2つのグループのバランスを取っている。オサマは自主的に出国するべきだという決定には、この3番目のグループの影響が最も強く働いていた。問題は3つのグループがいずれもオサマの軍よりも小さいということだ。タリバンではなくオサマがアフガニスタンの実質的な支配者である。」
■北部同盟について
「北部同盟は雑多な勢力からなっている。イスラム教民族運動を率いているアブドゥル・ラシド・ドスタムは、カルマルやナジブラ(ソ連に支持されていた政権の大統領)の親密な同盟者だった。彼は原理主義者ではなく。アフガニスタンのウズベクおよびトルクメン人を代表している、シアフ教授が率いるアフガニスタン・イスラム教統一運動は、北部同盟の中でももっとも原理主義の傾向が強いグループである。このほかにアーメド・シャー・マスードのイスラム協会がある。9月11日の事件を起こしたのと同じグループが9月9日にマスードを殺害した。マスードが殺されたのは、オサマが彼を9月11日以降に抵抗闘争を指導できる唯一の人物だと考えていたためだ。彼はすでに多くの西側の政権から支持されていた。彼は原理主義者だったが、最近、右翼思想に転換した。ヒズブ・ワフダット・イスラムも北部同盟に参加している。北部同盟はタリバンを攻撃する準備を整えている。9月11日の後に、マザール・シャリフで戦闘があった。タリバンの兵士80人が死亡し、200人が捕虜になった。戦闘はまだ続いており、まもなくタリバンがマザール・シャリフを失うかも知れない。ドスタム元将軍がすでに西側の一定の支持を得ており、前面に登場しつつある。」
■ザヒル・シャー元国王について
「彼は89歳になるが、アフガニスタンでタリバンを除く全政党の支持を得ているようだ。少なくともペシャワールでは、いたる所に彼の政党の旗が見られる。それは黒と赤と緑の旗だ。われわれの党は現時点では、過渡期として彼を支持している。米国のプランは、タリバン政権の崩壊後、彼に権力を渡し、彼が1年後に選挙を実施するというものだ。しかし、彼が人々の問題を解決できないのは明らかだ。ペルシャの格言によると、悪いやつが政権を握っているが、そこからいいことも起こるとすれば、それほど悪くない。われわれは過渡期として彼を支持する以外に選択はない。」
■米国の軍事介入
「われわれは米国の軍事介入には全面的に反対だ。しかし、われわれはタリバン政権がただちに終わることを歓迎する。現在の状況をたとえて言えば、米国が育てた犬が手におえなくなったということだ。この犬をしつけるか殺すのは米国の責任だ。われわれは、われわれのやり方で、アフガンの人々にとって危険きわまるこの犬を始末する。米国とパキスタンは、アフガニスタンの安定化を期待して間接的あるいは直接的にタリバンを支持してきたが、事態は彼らの手におえなくなったのである」。
■シェルター・インターナショナルについて
「このNGOは300万人以上のアフガンの人々にパンを提供してきた。タリバン政権は何の理由もなく彼らを逮捕した。食糧はどこかへ消えた。人々は苦しんでいる。これは人々の悲惨な状況を一層悪化させ、タリバン政権に対する憎しみをさらに募らせた。彼らはアフガニスタンにおけるNGOの活動を統制したいと考えていた。これは一般のアフガンの人々には評判が悪かった。」
アディル氏によると、誰もがタリバン政権に飽き飽きしている。人々は戦争に飽き飽きしている。多くの人々が、この政権が終わるのを待っている。タリバンが長く政権にとどまっている可能性はないだろう。米国の戦略はザヒル・シャーを政権に就けることである。彼はすでに北部同盟や、左翼および右翼の政党の支持を得ている。私たちはアフガニスタンに戻る日を待っている。
タリバンはアフガン国民の蜂起によって打倒されるべき
――アフガニスタン革命的女性協会
米国のアフガニスタン攻撃に対する声明
再び原理主義者達、死刑執行人の叛乱によって、私たちの民衆が戦争と破滅という巨大な化け物の手中に陥った。
アメリカは9月11日のテロに対する報復のためにオサマ・ビン・ラディンとその協力者であるタリバンへ対抗する国際的な同盟を作りつつ、私たちの国へ大規模な攻撃を行ってきた。 アメリカは攻撃対象をタリバン及びアルカイダの軍事目標、テロリスト基地に限定し、攻撃は精密かつ適切に行われている、と主張している。過去7日間、私たちはアメリカの攻撃を目撃して来た。その攻撃を見る限り、アメリカの主張に反して、この侵略(invason)によって私たちの国の膨大な数の女性達、子供達、そして年老いた人々の血が流されるであろうことはもはや疑いの余地が無い。
アメリカとその同盟国は、アフガニスタンの民主主義の運命など気にもとめずに昨日までジハディ、オサマ・ビン・ラディン、そしてタリバンを養子として育てる政策を支え、今日は「北部同盟」の短剣に磨きをかける、という具合である。そしてこの政策により米国は私たちの民衆に対して、ジハディ(注1)の首長国≠フ時代におきた恐ろしい出来事を再度経験するのでは無いかという、大きな恐怖と不安を与えている。
アフガン人はジハディ、タリバンといった強欲な面々の手で引き起こされた、とてつも無い災厄を忘れてはいないので、亡命中の国王の帰還に一縷の望みを繋いでいる。しかし国王が北部同盟といわゆるタリバン穏健派≠ノ依存するような状況で帰国すれば、人々の中の彼の名声を失うだけでは無く、かれが形作って来た全ての基本方針の成功と安定をも危険にさらすことになるだろう。
タリバンはアフガン民衆と全ムスリムをアメリカに対する聖戦≠ヨと差し向けようとしているが、タリバンが中世風の支配をしているうちは、アフガン人、そして思慮深く、名誉あるムスリムは誰も、タリバンのこのようなナショナリスティックなジェスチャーに騙されないであろう。どのような個人、グループ、国家であれタリバンを支援するものたちはいかなる口実を持ち出そうとアフガン民衆の敵である。人々はまた、北部同盟の殺人者達が行っている反オサマ・ビン・ラディン、反テロリズム行動に対しても敵意を持っている。我々の民衆はナジブラ傀儡政権が崩壊した後にやってきた5年間を忘れることは無かった。それは抑制を知らぬテロの恐ろしい年月であった。同時に人々はジハディ自身がアブドラ・イザム とウサマ・ビン・ラディンの安っぽい手下であったことも忘れていない。
今、北部同盟≠フグループは飢えた狼のように待ち構えて、米国の攻撃に便乗してカブールの攻撃・制圧を狙い、数年前と同様に野蛮な行為を伴う征服≠しようとしている。それは彼らが第二の首長国≠フ分け前にありつくためであり、結果としてそのような事態は人々の願い、安定し広く受け入れられるような民主的政府を求める人々の強い願いを挫くことになる。
アメリカが攻撃を継続し、無実の市民の被害者数が増えることによって、タリバンは口実を手に入れるだけではなく、この地域の、さらには全世界の原理主義勢力を力付ける原因になるであろう。
私たちの民衆には二つの選択肢がある。
タリバン、アルカイダという疫病を共に根絶すること。(私たちの民衆はこうした疫病の発生や育成に関わっていないが。)そして民主的価値に基盤を置く政府を立ち上げること。
もう一つの選択肢は、外部に依存し、略奪と犯罪を行う勢力、実態としては大半が不信心である国民への反逆者達の軍勢にアフガニスタン明け渡すことである。
それゆえ、私たちの同胞は、タリバンとウサマ・ビン・ラディンの根絶を通じて立ち上がるにちがいない。傷付き、倦み、見捨てられてきたアフガン人は言葉だけでは無く実質的にも犯罪者達とは何のかかわりが無い。ひとにぎりのアラブ人、非アラブ人のテロリスト達を 名誉ある客人≠ネどとアフガン人はみなしてこなかったのである。そのことを世界は忘れるべきでは無い。
全面的な叛乱によってのみ、この国へ以前降りかかった大災害を防ぐ事ができる。国連平和維持軍の存在があり、あるいはそれが無くても、この叛乱によって暫定政権と選挙準備への道を切り開くことができるのである。我々は外国の干渉、特に原理主義勢力からの干渉が一旦無くなれば、原理主義者達の陰謀にもかかわらず、あらゆる宗教からなる全民族がアフガニスタンの自由と誇り、という目的に向かって一致団結し、最も神聖な国民の利益を勝ち取ることであろう。アフガニスタン革命的女性協会(RAWA)は全ての原理主義に反対する人々、自由と民衆主義を愛する人々、女性の権利を守る人々、そして亡命中のアフガン国王に対して要望する。手後れにならない内に民衆の蜂起を組織し、内外のアフガニスタンの敵によってたてられている計画を阻止する自分達の役割を果たして欲しい。平和と正義を愛する世界の人々はアフガニスタンの民衆の側に味方するだろう。
2001年10月11日
当声明は既にアフガニスタン国内でパシュトン語版とペルシャ語版で広く配付されている
(注1)ジハディ:92年から96年までカブールを掌握していたムジャヒディン・ゲリラ
各党派の総称。マスード派もジハディのひとつ。現在は反タリバンとして北部連合を結成し内戦中。
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チャルマーズ・ジョンソン氏の小泉純一郎論を論評する
まず、ジョンソン氏の小泉純一郎首相論を引用してから、論評していこう。
小泉首相はブッシュの召使いか
私は、米国に対するブローバック=吹き返しが二十一世紀における世界的な潮流になると予測している。なぜならこのテロは、米国が推し進めてきた帝国主義的な政策に対して当然起こるブローバック、すなわち報復だから。米国自身が、これまでの政策を改めない限り、報復はまだ果てしなく続くだろう。軍事力で押さえつけられるという性質のものではない。にもかかわらず、日本の小泉首相はさっそくワシントンに飛んできて、自衛隊による後方支援を約束した。これには私も驚き、失望している。
ブッシュ大統領に対する小泉首相の振る舞いは、まるで召使いか奴隷のようだ。小泉首相を見て、私は中国の作家・魯迅が書いた『阿Q正伝』の主人公・阿Qを思い出した。ひたすら主人におべっかを使う阿Qと、ブッシュを喜ばすために振る舞う小泉は、どこに違いがあるのか。
ブッシュは馬鹿げた愛国者
ブッシュは、まるでジョン・ウェインが演じたテキサス・カウボーイのように単純な男だ。過去に前例のない馬鹿げた愛国者といってもいい。
父親のブッシュ元大統領は、フォード時代のCIA長官だった。私はCIAのコンサルタントを努めていたから、冷戦時代、敵を殺し政権を転覆させるために、CIAがいかに暗躍し、どれほど米国民の税金を大量に使ってきたのかよく知っている。現在のは「父親ブッシュのCIA」と呼ばれるほど、ブッシュ元大統領の影響力が強い。そのCIAは、今回のテロでさらに権限が強化された。
息子のブッシュの取り巻きにも、軍産複合体の利益を代表するラムズフェルド国防長官など、危険な人物がたくさんいる。こうした環境のなかで、単純で馬鹿げた愛国者のブッシュは、ひたすら彼の愛国主義を世界に押し付けようとしている。
京都会議で行われた地球環境を守るための議決を、ブッシュは拒否した。南アフリカでの世界人種差別撤廃会議にも欠席した。米国が過去に奴隷制度をもっていたにもかかわらずだ。これらは米穀の傲慢さを物語るエビソートだ。
そんなブッシュのもとに、召使いのように通っているのが、日本の小泉だ。
日本の指導者は「恥知らずの凡人たち」
フランスの政治評論家レイモン・アーロンは、スターリン時代、モスクワに忠誠を誓い、モスクワ詣でを欠かさなかった東欧諸国の傀儡政権指導者のことを「恥知らずの凡人たち」と表現した。田中角栄から現在の小泉に至る日本の指導者は、東欧の指導者同様、すべてこの「恥知らずの凡人たち」だと、私は言いたい。
小泉は、日本国内では高い支持率を得ているが、諸外国では日に日に信頼を失いつつあることに気づいていない。彼は、自分が言いたいことより、相手が聞きたいだろうという言葉をリップサービスしているにすぎない。
だから就任直後、キャンプ・ディビットでブッシュと会ったときも、京都議定書の問題で議長国日本の意見を主張するでもなく、ただブッシュの意見を十分聞いて、「反対する西欧諸国に伝える」と言った。そのくせ、その足でヨーロッパに行き、フランスのシラク大統領やイギリスのブレア首相と会ったときには、「よくわかった。ブッシュに伝える」と答えて帰ってきた。
このように行く先々で相手が喜ぶことをしゃべるだけでは、外交とは言えない。発言が一貫していないからバカにされるだけでなく、信頼されることがないのだ。
小泉はただのクレバーな役者で、ペンタゴンにとって日本は無邪気でお人好しな上客
現在まで、小泉は日本のために何をしてきたのか。やったのはパフォーマンスだけだ。大相撲の表彰式では「感動した」などといって観客を喜ばせ、靖国神社問題でもお芝居をし、今回の同時多発テロでもうまく立ち回ってブッシュと堅い握手をし、片言の英語で記者会見に応じた。
ファッションも歴代首相よりはるかにあか抜けているし、離婚歴があるというのもユニークだ。けれども、これらは、別に首相の仕事とは関係ない。小泉のパフォーマンスは、日本国内でなら通じるかもしれないが、世界では通用しない。彼は「政治」ではなく、「お芝居」をしているだけの、ただのクレバーな役者としか、私には見えないのだ。小泉は、さかんにブッシュとの良好な関係をアピールしているが、単純なブッシュですら、小泉の動きには懐疑的だ。
もちろん例外はいる。アーミテージ米国務副長官やウォルフォビッツ米国防副長官といった扇動家は、日本が軍事的にさらに力を持ってほしいと望んでいる。もちろん、米国に刃向かうほどの軍事力ではない。あくまで、米国の衛星国として闘える程度の軍事力をもってほしいと望んでいるのだ。
彼らだけではない。米国はいま、日本に再軍備をしてほしいと願っており、新ガイドラインで日本に米国製の軍事製品を買えと圧力をかけている。世界一の武器セールスマンであるペンタゴンにとって、日本ほど無邪気でお人好しな上客はない。駐日米国大使館はペンタゴンによる武器輸出活動の拠点であり、歴代大使は、武器輸出オフィスの責任者という色合いのものなのだ。
ブッシュ政権は日本の軍事的支援など要求もしていないし、必要ともしていない
けれども日本は、これ以上の軍事力増強はまったく必要ではない。憲法改正も論外だ。私は、小泉がブッシュと会って自衛隊による後方支援の約束をしたとき、非常に驚いた。 後方支援発言は時と場所をわきまえない内容であり、役に立たないことを、小泉はわかっていない。
彼は、日本国民の目から何かを隠すために、あえて後方支援発言をした疑いもある。なぜなら、米政府もブッシュ政権も、実際のところは日本の軍事的支援など要求もしていないし、必要ともしていないからだ。
あるいは小泉は、湾岸戦争のときに日本が、130億ドルもの支援をしたのにもかかわらず、多国籍軍から感謝もされなかったという苦い過去を思い出し、ここで日本が何かしないと世界の中で孤立するという危機感を覚えて、アメリカが要求する前に、自分から後方支援を言い出したのかもしれない。
いずれにせよ、小泉は自ら進んでブッシュ政権の奴隷になり、日本全土を「第二の沖縄」のように植民地にしようとしているのだ。
日本が、また小泉が、なぜ米国に対して、こんなに媚びへつらうのか、私には理解ができない。日本には、外交上の長期的な展望といったものが感じられない。先にも言ったとおり、米国がいま、日本に対して切実に望んでいることは、自衛隊の派遣でも後方支援でもない。日本が、そして小泉が、即刻やらねばならないのは、構造改革であり、それこそが米国の切望していることなのである。そして、このことこそが、小泉首相が日本国民に隠したいことなのではないだろうか。
以上は、『週刊現代』十月二十日号を再編集したものである。
●チャールマーズ・ジョンソン氏によって語られた米国の対日認識について
彼の発言の率直さから正しく判断できるように、米国は、日本を表面では同盟国と言いながらも、衛星国と考えている。今回問題にもなった「ショー・ザ・フラッグ」もこうした立場からのもので、小泉・外務省が慌て、また自衛隊幹部が勢いづいたのも、日本には外交上の長期的な展望、言い換えれば国家戦略がない事が原因ではなかったろうか。日本の思惑とは別に米国にとっては、小泉の強弁する日本の「非軍事支援」などは足手まといの迷惑なことであろう。米国の認識は明確なのだ。一般米国民もまた同様の認識である。
例えば、千四百円程度で買える米国の民衆的な辞書であるランダムハウスのウエブスターには、「japan',n.1.a constitutional monarchy on a chain of islands off the E coast of Asia」とある。翻訳すれば、日本とは、アジア大陸の西岸から離れている諸列島に存在している立憲君主制国家であるというものだ。何たる定義であろうか。彼らは天皇を保護したとの自覚があり、ここには、日本国民ですら自覚のない実態が明確に規定されているのだ。
小泉政権に対するチャールマーズ・ジョンソン氏の認識も実に辛辣である。しかし、この認識は真実だ。テロ対策特別措置法提案の信じられないほどのいい加減な答弁を見聞きしていると彼には一国の総理大臣としての資質があるのかとの疑問を持たざるを得ない。しかし、この事の追及は別稿に譲ることにする。
その他の問題の中で最大のものは、彼が、一枚看板の構造改革の成果をほとんど上げておらず、特殊法人改革も官僚の抵抗の中でお茶を濁すほどのことしかできていないということである。この看板こそ、小泉に対する高支持率の最大の根拠であるというのに。
そもそも、小泉が、「国債の発行を三十兆円に抑える」というセリフも、実際のところは、米国に対する国際密約なのである。この事実すら知らないのが日本国民自身なのだ。 この証言を知っているだろうか。
橋本龍太郎 本年度(一九九九年)予算が成立した瞬間に、今年も入れての五年間、毎年ほぼ三十兆円ずつ赤字国債が増発されることが決まったわけです。私は、将来の返済というものを考えると財政構造改革が要ると思っていたのですが、これは大変評判が悪かった。そしてそのうえでノーという審判が下されたのです。これから五年間、毎年三十兆円ずつの赤字を国民は選択したわけです(『Voice』誌 「『財政改革』は評判が悪かった」一九九九年一一月号)。
この証言の中に、小泉首相の打ち出している方針の他律ぶりが、よく暴露されている。したがって私たちが小泉に何の期待もできないことは、はっきりしているのである。
今、日本資本主義が陥っている一切の困難を、私たち労働者を犠牲にすることで克服していこうと、小泉ら支配者が策動している。私たちは自らの生活防衛のために、大量解雇・労働条件の切り下げに断固反対していかなければならない。また現下の情勢では、米国に対するテロにも米国の報復戦争にも反対していくとともに、小泉がごり押ししようとしている自衛隊の海外派兵を、労働者民衆の力を結集して阻止していくことである。その意味では、戦後政治の大転換である。アフガンの民衆や全世界の労働者民衆の反戦闘争と連帯していくことで、この転換を阻止していこうではないか。
こうした闘いとともに、私たちは、自分たちの生産点・労働現場において、労働者の資本に対する規制力を奪還するという戦略目標を明確にすることで、労働する自由で自立した諸個人の連合社会をめざして闘っていかなければならないのである。
ともに闘っていこう!
(ワーカーズ N)
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噛み合わない問題意識 ――不可解なN氏の論述
谷沢永一氏の著書の論評をめぐって、その引用のあり方と創氏改名の評価に対する私の疑問に、本紙前号でN氏が答えている。そこでN氏から私に対して3点にわたる質問が出されたので、そうした点も含めて再度N氏の連載について述べたい。
まず、連載の6を読んでN氏の博覧強記ぶりに、頭が下がるばかりだ。創氏改名についてかくも文献を極めているなら、谷沢氏の放言を引用して誤解を招く前に、自らの問題意識から論文を書くべきだった。そうすれば、N氏の問題意識もストレートに理解されただろうし、私もよけいな文章を書かずに済んだだろう。
N氏はまた、谷沢氏の引用には3分類あるが、支持できるものもできないものも交ぜて引用したと言う。それでつまらない引用もたくさんあったのだと納得したものの、こうした記述は読者に混乱をもたらすだけだ。パンフレットなどでまとまった論文として掲載し、その意図も明らかにしておけば、あるいは問題なかったと思うのだが。月に2回しか発行されない新聞の連載では、やはり無理があると言わざるを得ない。
本題に入って、N氏は創氏改名は朝鮮と台湾では違った形になったがなぜか、朝鮮王族には創氏改名はなかった、創氏改名しないで中将になった例があるがなぜか、と私に問うている。しかし、何故そんなことを私が答えなければならないのか理解に苦しむが、とりあえず思いつくままの回答を示そう。
まず、台湾での創氏改名の実態についてだが、私はそんなことは全く知らなかったので答えようがない。そもそも、谷沢氏の引用も私の指摘も朝鮮における創氏改名を問題にしている。何故それが問題になるのかというと、在日朝鮮人の帰化等を巡って今も創氏改名 (日本的氏名の使用)が問題とされているし、日常生活での「通名」使用という問題もあるからだ。
この点で、N氏は紀元7世紀の「漢姓」取得の経験を持ち出しているが、それが韓国で一切問題になっていないのは、歴史過程のなかで記憶が消滅したからではないだろうか。在日朝鮮人の帰化へのこだわりは、今も創氏改名(その記憶)が過去のものとなっていないことを示しているし、私の問題意識もそこにある。
だから、朝鮮王族の例や特殊な人物についての例には、研究課題としては有り得るだろうが、私自身はさして興味はない。N氏からすれば、それは「左翼公式主義」ということになるのかもしれないが、その批判と研究はN氏に任せるしかないだろう。私にとって問題なのは、創氏改名が朝鮮人庶民にどのような苦しみを与え、それが今もどのように影響を残しているかだ。
なるほど、朝鮮と台湾では何故違ったのかというのは、一部特権層やエリートの問題ではないので、全くどうでも良いとは言えないだろう。もしかすると、植民地支配の仕方の違いなどがあるのかもしれない。
差し当たって考えられることは戦略的な位置の違い、方や小さな島であり、もう一方は大陸へとつながる位置にある。「新しい歴史教科書」もこの点について次のように述べ、日本の安全保障における朝鮮半島の重要性を強調している。朝鮮を完全に支配するだけではなく、朝鮮人を戦争に動員することが、大日本帝国にとって欠くことのできないものだったと言えよう。
「東アジアの地図を見てみよう。日本はユーラシア大陸から少し離れ、海に浮かぶ島国である。この日本に向けて、大陸から一本の腕のように朝鮮半島が突き出ている。当時、朝鮮半島が日本に敵対的な大国の支配下に入れば、日本を攻撃する格好の基地となり、後背地を持たない島国は、自国の防衛が困難となると考えられていた」(216ページ)
しかし、こうした指摘は植民地支配の位置付けの違いは示せても、それで創氏改名についての疑問に答えるものではない。文献探究の能力も時間もない私にはその謎を解くことは出来ないので、N氏のいっそうの研鑽に期待するしかないように思われる。
(ワーカーズ・ネット 折口晴夫)
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神坂さん裁判官任官拒否 国家賠償請求訴訟
――第2回口頭弁論の報告
被告(国)はほとんど主張せず
一審判決は、ようするに原告神坂直樹さんのよううな活動をしている者(箕面忠魂碑訴訟の原告補助参加人・元号を使わず西暦を使う・検察取り調べ修習を拒否)は、裁判官になったら、形式的な「公正らしさ」を損なう、と言っているのです。
しかし、この「公正らしさ」論について、今まで国は一切主張してこなかったし、現在に至るまで主張していません。
さて、10月24日午後2時、大阪高裁202号法廷において、任官拒否国賠訴訟控訴審の口頭弁論がありました。
今回は、原告である神坂さん側より、国に求釈明をしました。
まず、岩本弁護士。
「被控訴人(国)は、肝心なところについて解答していない。控訴人(神坂)が、なぜ裁判官として的確性に欠けるのか? 『公正らしさ』を害さないかどうか? 司法制度改革審議会では、判事補の採用基準について『公正らしさ』は取り上げていない」
「控訴人が、判事補に採用されなかった理由について被控訴人(国)は、公務上の秘密だから言えないと言うが、この根拠は?」
「控訴人が、司法修習生時代に西暦を使用したこと、検察取り調べ修習を拒否したこと、これらが裁判官の資質に問題があると考えるか」
続いて下川弁護士。
「被控訴人は、我々の求釈明に回答してほしい」
さらに、神坂さん。
「『公正らしさ』論について、被控訴人が主張しないなら、本件の審判から除外すべき」
岩本弁護士。
「被控訴人は、神坂任官拒否の理由を主張していない。常識の裁判をしよう」
神坂さん。
「被控訴人の見解を問う」
これら控訴人の求釈明について国は、「検討する」と答えたのみでした。裁判長より、12月10日までに書面で回答するようにとの指示がありました。
今までの裁判の様子は、一審から神坂さんが、「任官拒否は不当だ。任官拒否の理由を明らかにせよ」と当然の主張をしてきました。これらに対し国は、「任官拒否の理由は公務上の秘密で言えない」などとふざけたことを言っています。
腐りきった司法に風穴をあけるためにも、神坂さんには裁判官になってほしいと思います。
次回口頭弁論は、来年の1月17日、午後2時からです。多くの皆さんの傍聴を、よろしくお願いします。
(ワーカーズ・ネット 河野)